中国で博物館の収蔵品や伝統文化を生かした文化グッズ(文創)が新たな広がりを見せていると中国紙が伝えた。中国の文化グッズはこれまで「小さな飾り物」や「観光地の土産物」というイメージが強かったが、専門家は「今では人に寄り添い、学びを助け、気持ちを癒やすスマート製品へと進化」との見方を示した。

東方新報によると、5月中旬、北京市の朝陽公園で開かれた「2026中国新文化クリエーティブ市集・トレンド玩具遊園会」には博物館発の商品からトレンド玩具、AI(人工知能)ロボットまで幅広い商品がずらり。会場を訪れた北京市民の戴さんは「文化グッズはもう観光客だけのものではない。見ているだけで気分が明るくなる」と話した。

会場には、陝西省の「金の飯碗」や「虎符」シリーズ、甘粛省の敦煌スケートボード、九色鹿の羊毛フェルト画、北京の故宮博物院の茶杯ギフトセットやブランケットなどが並んだ。屋外ではポップマートの人気キャラクター「LABUBU(ラブブ)」の大型オブジェの前に若者が列を作り、AI感情ロボットが子どもたちと会話していた。伝統文化、人気IP、先端技術が一堂に集まった会場は、従来の物産展や土産物販売とは異なる雰囲気に包まれていた。

博物館収蔵品や伝統を生かした文化グッズが新たな広がり―中国

文化グッズのイメージを変えた代表例は故宮博物院。収蔵品を紹介する人気カレンダー「故宮日暦」や中国の名画「千里江山」をテーマにした商品、デジタル故宮、環境配慮型グッズなどを通じて、収蔵品を現代の生活と結び付けてきた。この「故宮モデル」は中国各地の博物館にも広がっている。

文化グッズの変化は若者の消費にも表れている。中国発のトイメーカーのポップマートの展示エリアではLABUBUの大型オブジェが人気を集め、多くの若者が写真を撮っていた。ポップマートは世界各地のアーティストやデザイナーを発掘し、LABUBUなどの大型ヒットIPを育成している。

商品展開やテーマパーク、海外店舗を通じて中国国内だけでなく海外市場にも広がっており、25年には海外売上比率が43.8%に達した。

一方で文化グッズは「見て楽しい」だけでなく、「使って便利」なものにもなっている。会場ではAI感情ロボットが子どもの表情や声に反応し、会話や遊びで交流していた。絵本ロボットは読み聞かせや親子教育を支援し、AIサッカーロボットはスポーツ体験や科学教育に活用できる。スマートロボット犬は家庭での付き添いや施設の巡回点検にも対応する。

東方新報は専門家の「文化グッズの境界が大きく広がっている」との見解を紹介。「伝統文化をただ商品に貼り付けるのではなく、現代の暮らしや若者の感性、テクノロジーと結び付けることで、中国の文化グッズは新たな成長段階に入りつつある」と強調した。(編集/日向)

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