2026年6月5日、中国メディアの中国経営報はこのほど、人工知能(AI)需要に伴う半導体と電池原材料の価格高騰により、中国の新エネルギー自動車市場が構造的な値上げ局面を迎えていると報じた。

記事は、26年の自動車産業が原材料価格高騰により予想外の値上げ局面を迎えており、すでに20社近いメーカーが販売価格の引き上げを表明しており、一部モデルでは2万元(約47万円)上昇したと紹介した。

そして、値上げの最大要因は過熱するAI分野での需要爆発による車載メモリ半導体の価格急騰だと指摘。市場調査会社の集邦諮問が公表したデータでは、1~3月の世界の汎用DRAMの成約価格が前の3カ月に比べて90~95%上がり、スイスの投資銀行UBSのリポートによると車載用DRAMの価格は約2.8倍になったと伝えた。

また、レベル2の運転支援機能やスマートコクピットが普及しているスマート電気自動車(EV)ではガソリン車の10倍に当たる3000個から5000個もの半導体を必要とすることを紹介。高度な運転支援オプションを搭載した高級モデルほど半導体の能力と数量が必要になるため、半導体価格の上昇が製品価格の値上げに直結しやすくなることを説明した。

さらに、電池の重要材料である炭酸リチウムの価格が需給逼迫により急騰し、5月13日時点で1トン当たり20万500元(約470万円)に達したことにも言及。リチウム電池業界の調査会社・真鋰研究の墨柯(モー・コー)首席アナリストが「電池需要が旺盛で生産量が高水準で維持する中、主要産地である中国のリチウム鉱山が採掘許可の更新で一時生産停止に入ったことが供給不足に拍車をかけている」と解説し、電池供給の安定化にはまだ時間を要すると指摘したことを伝えた。

記事は、全国乗用車市場信息聯席会の崔東樹(ツイ・ドンシュウ)秘書長が「激しい競争の中で体力のない中低価格帯のメーカーは大幅な値上げに踏み切れることが難しい」と分析し、「高価格帯は値上げが進み、中低価格帯は据え置きを余儀なくされる」という市場の二極化が進む可能性に言及したことを紹介した。

そして最後に、マッキンゼー・アンド・カンパニーの担当者が、外的圧力を受けての値上げによって、業界が価格競争から技術と価値で競う健全な方向へ転換する可能性があるとの見解を示したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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