◆JERAセ・リーグ 中日6X―4ヤクルト(24日・バンテリンドーム)

 清めの盛り塩は、最後に効果を発揮した。1点を追う9回だ。

1死二、三塁で中日・村松開人内野手(25)が、こん身のガッツポーズ。星のフォークを拾い、逆転3ランを確信した。

 サヨナラ勝ちも、右翼ホームランウイングへの劇弾決着も、村松のサヨナラ本塁打も初めて。勝利を待ちわびた竜党を熱狂させた。連敗を6で止め、手洗い祝福で髪をぬらした立役者は「最高です。初回に情けないプレー(失策)をしてしまったので、取り返そうと思った」と余韻に浸った。

 チームは開幕5連敗から苦しみ続け、試合前時点で勝率は1割9分。借金13の最下位だった。21試合を消化し、逆転負けも10度。泥沼だった。6試合ぶりに戻った本拠地・バンテリンD。ベンチには清めの盛り塩が置かれた。

松中打撃統括コーチが地元・熊本から取り寄せたものだった。

 実父に頼み、現役時代から通う熊本県内の八代龍王神社でパワーを注入。ダイエー時代の04年には平成唯一の三冠王に輝き、開幕戦など節目では打席やロッカーにもまくほどだった。

 村松も練習中から“盛り塩パワー”を実感していた。ランニング中、外野に塩をまいていた井上監督から「お前も、かけとけ」と胸元に2度、塩を振られた。打席に向かう前には、松中コーチが「ノーステップでいけ」と指示。「ノーステップの方がいい形で打てていた」と助言を忠実に守り、最高の結果につなげた。

 今季初のサヨナラ勝ちで勝率は2割に“復帰”した。井上監督は「この勝利が、いい転機になってほしい」と願えば、ヒーローも「まだまだ諦めるつもりはない。1勝ずつ頑張りたい」と決意した。厄を落とし、再スタート。井上竜の大逆襲が始まる。

(森下 知玲)

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