◆JERAセ・リーグ 阪神3―0巨人(3日・甲子園)=7回裏降雨コールド=

 巨人・井上温大投手(24)が体をしならせて投げた全力の1球は、捕手・大城がミットを構えた位置へズバリ決まった。6回無死二、三塁で迎えた佐藤の第3打席。

4回1死一塁の第2打席ではカットボールを捉えられ、右中間三塁打で先制点を献上した。次こそは絶対に抑える気持ちだった。「配球も偏りすぎず、両サイドで攻めながら」。外角へのフォークを2球連続で投げ、最後は内角への149キロ直球で見逃し三振。リベンジに成功すると、自らを落ち着かせるように大きく一度うなずいた。

 厳しい環境でも、持ち味を見失わなかった。この日は試合開始から雨。ぬかるむマウンドに苦戦しながらも必死に腕を振った。「投げ切る場面で投げ切れた」と4回以外、毎回の奪三振で6回8K。ボールも低めに集めた。だが、6回には先頭・中野に中前安打を許し、2死満塁から暴投、捕手の失策が絡み一気に2失点。「打たれてしまった場面は高めに浮いてしまった。

先頭を切ることができなかったのが失点した原因」と1球を悔やんだ。

 援護に恵まれず6回3失点(自責2)で3敗目を喫したが、高い奪三振能力は健在。阿部監督も「ミスもあったけれど、なんとか試合はつくった」と粘投をたたえた。打撃では2回に内野安打で今季初のHランプをともすなど、明るい兆しは多い。「もっと(球の)精度を上げて、ゼロで抑えられるように投げていきたい」。この黒星は、決して後ろ向きなものではない。(北村 優衣)

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