◆第93回日本ダービー・G1(5月31日、東京競馬場・芝2400メートル)

 現役のお坊さんが、日本ダービーを占った!! 須磨寺(兵庫県神戸市)の副住職、小池陽人(ようにん)さんは、昨年末にXでアップした炎の馬と題した写真が「奇跡の1枚」として話題に。仏教を広めるためYouTube配信なども手がけるご仁が挙げた注目馬は、メイショウハチコウ。

仏門に仕える身なら、絶対に避けては通れない理由がそこにはあった! 

 昨年の大みそかにXにアップされた写真が、SNS上で大バズりとなった。「炎の馬 丙午の象徴。先日の須磨寺の火祭りで出現した炎の馬」。その文言通り、写真では炎が馬の形となっている。投稿主は須磨寺の副住職、小池さんで「奇跡の1枚」として反響を呼んだ。「春ぐらいまでは、結構いろんな人に言っていただきましたね。びっくりしたのは小学校の先生からも見ましたと」。やや興奮気味に反響の大きさを振り返った。

 この投稿も見ていた、東京を拠点にDJ活動をする女性デュオ・モノクロームとコラボも。テクノビートに合わせ小池さんが般若心経を読経。須磨寺の本堂ではミュージックビデオの撮影も行われた。同寺は真言宗だが、他宗の僧とともに奈良で「H1法話グランプリ」も開催。

3000円のチケットは飛ぶように売れ、イオンシネマからタイアップの話も来たという。

 “お堅い世界”で苦言を呈されることもあるというが、YouTube配信などを含め、なぜここまで積極的に露出するのか。柔らかい口調が特徴の小池さんが、「仏教を一人でも多くの人に届けるため。お坊さんの使命を果たすためです」とその問いにはきっぱりと言い切った。真言宗を開いた空海(弘法大師)は、当時の先端技術を駆使し出身地の讃岐国(香川県)でかんがい工事を行ったほか、日本で初めて庶民教育機関を創設するなど、様々なことに挑戦した。「空海さまが、もしこの世におられたら仏教をどう伝えるかと考えたら、絶対、YouTubeを使いますよ」

 そんな小池さんに、日本ダービーの見解を恐る恐る聞くと、快諾。競馬は全くの無知ということだが、仏教的な視点から競馬の祭典を読み解いてもらった。「その日の仏様にご縁のある数字を選ぶ。不動明王なら28、観音様なら18。お地蔵様なら23。薬師如来なら8…、そういう数字があります。そのご縁の仏様の数字で選びます」と話していた小池さん。

だが、出馬表を見て、目が留まったのはメイショウハチコウだった。

 同馬の誕生日4月8日を見て「お釈迦様と同じ誕生日じゃないですか! いや、もうこれは多分、ハチコウですね。はい、ピンときました」。提示した出馬表では、優先出走権を獲得した馬で7番目に名前があったのも押し材料に。「お釈迦様は、生まれてすぐに7歩歩き、天の上と地を差して『天上天下唯我独尊』とおっしゃったんですよ」と強調。仏教的にも「7」はすごく大切な数字で、お経の真言を唱えるのも七度行うという。

 また、メイショウは冠名で、由来がオーナーの名前の「明石の松本」からと知ると「須磨と明石は源氏物語で一緒に取り上げられていますし、須磨は松が有名なんですよ」。ハチコウ(忠犬ハチ公が由来)は「仏教の慈悲の教えにつながりますしね」と自信は揺るがないものとなった。

 ちなみに小池さんの叔父は福岡・南蔵院で住職を務める林覚乗さん。95年に宝くじで1等、前後賞合わせて1億3000万円を当て、そのほとんどを寄付をしたことでも有名。ダービーではその甥(おい)の“悟り”に乗ってみるのも悪くないのでは。(花住 宏一)

 ◆小池 陽人(こいけ・ようにん)1986年11月11日、東京都八王子市出身。

1996年、9歳で出家。17年よりYouTubeチャンネル「須磨寺小池陽人の随想録」で法話を配信。趣味はギター、特技はものまね。

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