◆日本生命セ・パ交流戦 2026 巨人5―4オリックス(3日・東京ドーム)

 ミスターの4番魂を継承した。ボビー・ダルベック内野手(30)の豪快なスイングから飛び出した一発がぐんぐんと伸びた。

オレンジに染まるポール際の右翼席へ飛び込むと大歓声を受けながらも、クールな助っ人は顔色を変えずにダイヤモンドを一周した。

 0―3の7回1死。曽谷の146キロ直球を捉えた当たりが反撃ののろしを上げる9号ソロとなった。5月10日の中日戦以来の一発は打球速度161キロ、飛距離106メートル、角度40度。「感触は良かったです。いい角度で飛んでくれました」とほほ笑んだ。

 出場全52試合で4番を託され、役割を全うしている。開幕戦では長嶋さんが1958年に達成した巨人の4番初試合で本塁打も放った。来日前から王貞治氏の著書が愛読書。王氏とともに「ON」として巨人軍、日本の野球界を引っ張ってきたミスターの偉大さはもちろん理解している。「長嶋さんのことは知っています。具体的に残された成績については残念ながら、あまり詳しくはないんですけど、日本の野球界にとって非常に重要な存在というのは心得ています。

そういった方の命日に打てたというのは自分にとっても非常に大きい意味を持ちます」。来日1年目だが、伝統を重んじながら、プレーしている。

 この9号が今季初の逆方向の右への一発。「大体、東京ドームではいつもセンター方向に打球を飛ばしてきたと思うんですけど、バックスクリーンに入ったり、ライナーに倒れたりもあった。ただ打球の方向性というのをそろそろ意識する時期なんじゃないかな」と日本の投手にも慣れ進化していく。劇的な逆転満弾での勝利に「丸さんの勝負強さには本当に感服。あの場面で結果を出せることはただただすごい」と興奮気味にリスペクトを口にした。異国の地で愚直に仕事をこなし続ける頼れる男が、巨人の4番にいる。(水上 智恵)

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