コロナ禍前と比べ車両数1.5倍に

 沖縄本島での“レンタカー価格崩壊”が続いています。

レンタカー1日「1350円」も!? “絵にかいたような過当競...の画像はこちら >>

 沖縄本島のレンタカー事業者各社は、コロナ禍による移動自粛要請によりレンタカー需要が激減したため、2020年から2021年にかけて保有台数を大幅に減らしました。

しかしコロナ禍が明け、観光需要が急回復すると、半導体不足に端を発するクルマ生産の遅れもあり、レンタカー不足が顕著になります。

 そしてなかには「1日3万円」など、従来の相場とはかけ離れた料金を提示するレンタカー事業者も現れ、「レンタカーは儲かる」と思った地元資本の新規参入が相次ぎます。

 しかしこのレンタカーの“売り手市場”は長くは続きませんでした。新規参入する事業者が増加を続ける一方、新車の供給不足が解消した大手レンタカー会社は需要に応えるため増車に踏み切ります。その結果、レンタカーの車両数は急増します。

 コロナ禍前の2020年3月末、那覇空港でのレンタカー需要を担う那覇市、糸満市、豊見城市のレンタカー車両数は2万1503台(乗用車のみ、沖縄総合局調べ、以下同)でした。コロナ禍ではこれが1万5294台まで減少しますが、2025年3月末には2万8438台、そして2026年3月末には3万1906台まで膨れ上がります。つまりコロナ禍前と比べると、その台数は約1.5倍になっているのです。

 沖縄本島はコロナ禍明けからインバウンドの観光需要が急回復しましたが、2025年末からは政治摩擦を要因とする中国からの航空便減便もあり、観光客数の増加はレンタカーの車両増をカバーするほどにはなっていないと思われます。

 そのため主に大手チェーン以外の格安レンタカー事業者を中心に価格競争が起き、時期によっては破格とも思える料金でレンタカーを借りることができるのです。

200円差で「送迎付き」

 では実際の料金はどのくらいなのでしょうか。6月のある週末、那覇空港で土曜日9時に借り出し、日曜日18時に返却する想定で、大手オンライン旅行代理店(OTA)でレンタカーの料金を調べてみました。

なお料金は空き車両数や検索時期によって異なる可能性がありますので、あくまで参考程度とお考えください。

 車両クラスの設定を「乗用車 軽 コンパクト スタンダード・ミドル」で検索してヒットしたのは840件で、安い順番に並べ最安値になったのは、独立系レンタカー事業者の2700円(基本料金、以下同)の軽自動車でした。1日あたりに直すと1350円、まるでレンタサイクルではないかと思わせるほどの低料金です。

 しかしこの事業者の営業所は空港から3kmほど離れていますが、空港からの送迎はありません。さすがにこの料金では送迎はムリか……と思いましたが、2番目に安い別の事業者は、200円差で2900円ながら、なんと送迎付きです。

価格競争から一歩引く大手

 小型乗用車では、3480円が最安値で、これも送迎付きとなっています。そして3000円台後半から4000円台にかけては、「小型乗用車・送迎付き」が、わずかな料金差でズラリと並ぶ状況です。

 5000円台、6000円台になると、沖縄本島以外にも店舗を持つ準大手のレンタカー事業者も混じってきます。まさに“過当競争”を絵に描いたような状況です。

 ただこのあたりの価格帯には、トヨタレンタカー、ニッポンレンタカー、オリックスレンタカーという大手3社は顔を出しません。同日程でのオリックスレンタカーでの最安値は1万円、ニッポンレンタカーでの最安値は1万120円、そしてトヨタレンタカーでの最安値は1万6050円と、格安レンタカー事業者による価格競争からは一歩下がったところにいるのです。

激安は本当にお得なのか?

 ではこうしたレンタカー料金の状況で、安いところで借りるのが本当におトクなのでしょうか。

レンタカー1日「1350円」も!? “絵にかいたような過当競争”の沖縄 激安の中小vsお高めの大手 “お得”なのはどっち?
大手レンタカー事業者は十分な台数のバスで利用者を効率よく運ぶ。営業所をビジネス客向け、観光客向けに分けているところもある(植村祐介撮影)

 じつは中小規模の格安レンタカー事業者は、送迎付きでも空港から電話でリクエストして迎えに来てもらうという形態をとっているところや、送迎バスがあっても少ない台数で空港と営業所を巡回しているところがあります。

 そうした事業者のバスは満員近くにならないと発車しないこともあり、借り出し時の空港や返却時の営業所で、長い待ち時間となる可能性があります。

 一方、大手レンタカー事業者は送迎バスの台数も多く、つぎつぎに発車するため、待ち時間は少なめです。また営業所にも十分なスタッフがいて、複数組が乗る送迎バスで到着したあとの借り出しもスムーズです。

 そしてクルマのコンディションも、一般論ながら、新車を早いサイクルで入れ替え、専任のスタッフが日々チェックを行っている大手レンタカー事業者に軍配が上がると考えていいでしょう。

 できるだけ費用を安く上げたいなら格安レンタカー事業者を、時間と安心を重視するなら、利用料金は高くても大手レンタカー事業者を選ぶという使い分けが、那覇空港からのレンタカー利用のコツになりそうです。

 なおレンタカー料金は、同じ事業者、同じ車両クラスでも、経由するOTAにより異なる場合があります。また免責補償料、NOC(ノン・オペレーション・チャージ)補償料などを加えると、予想以上に高くなってしまうこともあります。

 レンタカーの料金を比較するときは、条件を揃えた上で、複数のOTAをチェックすることをおすすめします。

【大手も安い…?】これが沖縄のレンタカーの“実態”です!(画像)

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