何度もトイレに行く。血尿が出ている。愛猫にこんな症状が見られたら「膀胱炎」を疑いましょう。
猫は泌尿器系の病気が多い動物で、中でも膀胱炎は年齢に関わらず起こりやすいと言われています。
そこで今回は、猫の膀胱炎について疑わしい症状と原因、そして治し方から日頃の予防まで詳しく紹介していきます!
目次
こんな様子には要注意!猫の膀胱炎に見られる症状一覧!
猫の膀胱は人間と同じで、体内で作られた尿を溜めておく重要な役割があります。その膀胱が炎症を起こすと、尿を溜めることができなくなり次のような症状が起こります。
- 排尿の回数が増える
- トイレでうずくまっている
- 水を沢山飲む
- 尿の色が濃くなる
- 尿のにおいがきつくなる
- 排尿時に悲鳴を上げる
- 血尿が出る
- 尿が白く濁る
- トイレ以外で排尿する
膀胱炎の初期症状としては、何度もトイレに行くなど頻尿が起こるのが一般的です。やがて、尿の色やにおいに異常が見られるようになり、血尿がでることもあります。
そして病状が進行すると、激しい痛みから排尿時に悲鳴をあげる、トイレ以外で排尿するなどの症状が見られ、いつもより元気がなくなります。
人間の膀胱炎は自然治癒することもありますが、猫の場合はそうはいきません。膀胱炎の原因によって治療法が異なるので、まずは動物病院へ連れていきましょう!
猫が膀胱炎になった時の治し方は?市販薬はある?
治療法 | 治療期間 | 治療費 | 概要 |
---|---|---|---|
投薬治療 | 1~2週間 | 1,000円~2,000円 | 抗生物質の内服やストレスを抑えるサプリの内服。 |
注射 | 1回で2週間持続 | 2,000円~5,000円 | 1回の注射で2週間効果が持続する抗生物質を投与する。 |
膀胱洗浄 | 必要に応じて | 2,000円~3,000円 | 尿道からカテーテルを入れて膀胱内を洗浄する。 |
猫の膀胱炎は原因によって治療法が異なるので、まずは尿検査により原因を特定します。採尿方法によっても異なりますが、検査料は大体1,000円~2,000円程度です。
細菌感染による膀胱炎であれば、抗生剤を飲んで膀胱内の細菌を減らせば症状を改善できます。1~2週間きっちりお薬を飲めば、ほとんどの猫は快方に向かうでしょう。
また、効果が2週間持続する抗生剤を注射するという方法もあります。1回あたり2,000円~5,000円の費用はかかりますが、お薬嫌いの猫にとっては安心ですね。
さらに、尿道からカテーテルと呼ばれる細い管を通して、膀胱内を直接洗浄するという方法もあります。
一方で、ストレスから排尿を我慢して起こる膀胱炎の場合、ストレスを抑えるサプリメントの処方や、医師による環境改善の指導により症状は改善されます。
適切な治療を受けるためにも、まずは病院で膀胱炎の原因を探ることから始めましょう!
そもそも猫が膀胱炎になる原因は?何度も繰り返すのはなぜ?
そもそも猫が膀胱炎になるのは、ストレスまたは細菌が原因だと言われています。
原因としては、半分以上がストレスによる「特発性膀胱炎」であり、細菌感染による膀胱炎は非常に少ないことがわかっています。
猫は非常にデリケートでストレスに弱い性格です。騒音、引っ越し、家族構成の変化など環境が変わると、交感神経が活発になり膀胱を刺激して尿が出にくくなってしまうんですね。
さらに、トイレが汚いとおしっこを我慢するようになり膀胱炎になってしまいます。
ただし、慢性腎不全や糖尿病などの病気を抱えている老齢の猫は、例外的に細菌性の膀胱炎にかかりやすいので注意が必要です。
猫が膀胱炎を繰り返さないためには日頃の予防が肝心!
冒頭でもお伝えした通り、猫は泌尿器系の病気にかかりやすく、特に膀胱炎は何度も再発する猫もいるほどです。
しかし、飼い主さんが少し気を付けてあげれば、膀胱炎は未然に防ぐことができます。ストレスを与えないことはもちろんですが、そのうえで以下の点に注意しましょう!
- トイレを清潔にする
- 沢山水を飲ませる
- 部屋の温度を一定に保つ
- サプリメントを与える
猫の膀胱炎予防に飼い主さんができること①:トイレを清潔にする
猫は自分の排泄物を隠す習性があります。これは、外敵から身を守るためにおいを消すという行為の名残なんですね。
ですから、トイレが汚れていると猫は不安になっておしっこを我慢してしまい、その結果として膀胱炎になってしまいます。
可能であれば、トイレを使用するごとに汚れた部分を取り除き、週に1回はトイレの砂を全て入れ替えてあげましょう!
また、トイレの砂を白にしておくと、おしっこの異変に気付きやすくなりますよ。
猫の膀胱炎予防に飼い主さんができること②:沢山水を飲ませる
膀胱炎を予防するには、猫に沢山の水を飲ませることが大切です。
特に冬の寒い時期は水を飲む量が減るので、部屋のあちこちに水飲み場を作って、猫が水を飲む機会を増やしてあげましょう。
また、猫に与える水は常温の水道水が理想的です。ただ、猫は時間の経った水が苦手なので、こまめに中身を入れ替えて新鮮な水を与えましょう。
ちなみにミネラルウォーターは、中に含まれるミネラル分が尿道結石の原因となるので絶対に与えないでくださいね!
猫の膀胱炎予防に飼い主さんができること③:部屋の温度を一定に保つ
猫は寒さに弱い動物です。室温が下がると、動くのが億劫になってトイレさえ我慢してしまうことがあります。
特に寒いところにトイレがあると、おしっこを我慢する癖がついてしまうので危険です。
冬場はなるべく温かい場所にトイレを置くようにして、快適におしっこができる環境を作ってあげましょう。
猫の膀胱炎予防に飼い主さんができること④:サプリメントを与える
泌尿器系の病気を予防するには、猫用に開発されたサプリメントを与えるのも効果的です。
サプリメントそのものに病気を治す効果はありませんが、毎日与えることでスムーズな排尿ができるようサポートしてくれます。
基本的には餌に混ぜて与えますが、錠剤や液体など色々な種類があるので、愛猫の好みにあったものを選びましょう!
猫の膀胱炎は、子猫からシニア猫まで年齢を問わず起こりうる病気のひとつです。
病状が進行すると、尿道に「結石」と呼ばれる石のような異物が詰まって、ひどい場合には外科手術が必要になることもあります。
しかし、膀胱炎は適切な治療を受ければ2~3週間で完治できるので、愛猫の様子がおかしいなと思ったらすぐに病院で診てもらってくださいね!