2026年7月13日、中国メディア・環球時報は、香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの記事を引用し、中国で大学統一入試後の志望校・専攻選びに人工知能(AI)チャットボットを活用する家庭が急増していると伝えた。

記事は、広東省広州市でライドシェアドライバーをしている張(ジャン)さんが、息子の志望校の出願手続きに際し、複数の国産AIチャットボットを「無料の相談役」として活用したことを紹介。

実家である山西省の大学しか知らなかった張さんとその家族にとって、AIが息子の成績で出願可能な全国の大学と専攻を一覧化してくれたことで、それまではノーマークだった広東省深セン市への進学という選択肢も視野に入ったと伝えた。

記事によると、こうした動きは個別の事例にとどまらず全国的な広がりを見せている。6月上旬の「高考」(大学統一入試)終了後から6月24日までにアリババの「千問AI高考志願エージェント」を利用したユーザーは1400万人超に達したほか、テンセント(騰訊)の「元宝高考通」は約8000万件の質問に回答、百度の「AI志願アシスタント」も1500万人が利用したとのデータが示されている。

また記事は、この動きが中国の志望校コンサルティング市場に影響を及ぼす可能性があるとも指摘。これまで張さんのような一般家庭は学校の教師や親戚、有料のコンサルタントに頼るしかなかったが、AIが大量の情報を無料で提供できるようになったことで、状況が変わりつつあるとした。

市場リサーチ企業の艾媒諮詢によると、志望校コンサルティングの有料サービス市場規模は2025年時点で10億9000万元(約260億円)に上り、27年には12億2000万元(約291億円)に拡大する見通しだが、AIの普及により数字が大きく変化する可能性があるという。

広州で志望校コンサルタントを務める呉さん(ウー)さんは、基本的な相談業務では確かにAIの波が押し寄せているとする一方で、AIが出した提案を解釈・判断するために人間のコンサルタントを求める家庭もむしろ増えていると語った。

呉さんによると、すべての家庭がAIの恩恵を等しく受けられるわけではなく、詳細なプロンプトを書いて回答の質を見極められるユーザーと、子どもの点数だけを入力するユーザーとの間で、得られる結果に大きな差が生じるという問題点もあるという。(編集・翻訳/川尻)

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