中国大陸と台湾の緊張が続く中で北京で制作された舞踊劇「只此青緑-舞絵『千里江山図』(ひたすら青く緑に-舞で描く『千里江山図』)」の台湾公演は大成功した。香港誌の亜洲週刊はこのほど、この話題を取り上げ、政治で台湾海峡の両岸を分断することはできるが、同じ文化の根源を持つ人心を引き離すことはできないと論じる記事を発表した。
「只此青緑」の成功は、政治による台湾海峡両岸の膠着状態を思いがけず打破したともいえる。また、同作品は中国の最新のソフトパワーを示すものでもある。約1000年前の北宋時代の画家の王希孟(1096-1119年)が描いた「千里江山図」にまつわる物語を見事な舞踊の技術によって表現し、新たな創作で伝統に命を吹き込んだ作品だ。台湾で大きな共鳴を引き起こしたのは、芸術における中国の革新的な力を目の当たりにし、両岸の民間の心が近づいたからだ。「政治は一時、文化は永遠」という言葉の通りだ。
「只此青緑」の台湾巡回公演は台北市内の国家戯劇院で始まった。この文化の一大イベントはチケット販売開始当初から奇跡を起こした。予定された5回の公演チケットは瞬く間に完売し、緊急追加された2公演でもチケット入手困難だった。連日満席となった台北の劇場には数え切れないほどの台湾の観客が足を運び、中華の古典美学の最高の風采を味わった。一つの舞踊劇がその最高レベルの芸術表現によって台湾を席巻し、長年の文化交流の氷結状態を打ち破ることになった。
「只此青緑」の台湾での大ヒットは単なる娯楽のブームではなく、民心の反響であり、中華文化の強大な生命力の証拠だ。
中国大陸と台湾の公式交流は停滞し、民間の往来は制限され、台湾社会は長期にわたって質の高い文化芸術の滋養を欠くことになった。しかし民衆の心の中には伝統美学に対する深い渇望が蓄積していた。政治的な操作によって消滅したわけではなく爆発を待っていたのだ。「只此青緑」の到来は日照り続きの後の恵みの雨のようなものだった。正統な中華文化の滋養から久しく遠ざかっていた台湾の観客に心を慰める文化の甘露をもたらし、瞬く間に台湾全島の文化に対する情熱に火をつけた。
作品の題材である「千里江山図」は、両岸の民衆に共通の文化の至宝であり、民族の遺伝子に刻まれた審美的な記憶だ。この作品は文化財と舞台の境界を打ち破り、静謐な「千年の古画」を躍動する「舞台上の詩篇」に転化させた。全舞台は7部で構成され、北宋の伝統工芸を再現して古代の職人の初心に敬意を表している。また現代の研究者と少年時代の王希孟の時空を超えた対話も盛り込んだ。
舞台で繰り広げられる一瞬、一瞬が動く宋画のようだ。舞踊の確かな技術と精妙な構成により高度な芸術と香しい文化が融合した。台湾の観客は中華文化の雄大な気概を直接に感じた。台北の公演は極めて感動的な盛況を呈した。劇場内は終始静寂に包まれ、無数の観客がストーリーの進行に伴い熱い涙を浮かべた。年配の観客は自らの文化のルーツに感慨を示し、若い観客は中華文化のロマンと重厚さを理解できたと語った。
この海峡を越えた文化の祭典を自ら感じようと、仕事を休んで遠方から駆け付けた観客もいた。終演時には必ず、観客が立ち上がって、幕が下りた舞台に向かって歓声を上げた。拍手は10分以上も鳴りやまなかった。観客はなかなか帰ろうとはせず、山河のロマンと文化の脈絡の深い情愛を読み尽くしたことで、感慨にふけり続けた。これらの真摯な反響や熱烈な共感は、政治は隔たりを生み出すことはできても人々の文化のルーツを分断することはできず、人の心の通じ合いを阻むことはできないことを十分に証明した。











