2026年7月19日、シンガポール紙・聯合早報は、フランスの高級ブランド、ルイ・ヴィトン(LV)と同じLVMHグループ傘下の宝飾ブランド、ティファニーが中国企業を相次いで商標権侵害で提訴していることに対し、中国の一部世論から「行き過ぎた権利保護ではないか」との懸念の声が上がっていると伝えた。
記事は、LVが中国の茶飲料ブランド、茉莉奶白(モーリーナイバイ)を商標権侵害で提訴していた訴訟で、江蘇省蘇州市の裁判所が6月末、茉莉奶白が使用した四つ葉の花柄がLVの商標専用権を侵害したと認定し、1030万元(約2億2000万円)超の賠償を命じる一審判決を下したことを紹介した。
そして、茉莉奶白が控訴の意向を示すとともに、中国国内で判決への反発の声が広がり、「四つ葉の花柄は中国の伝統的な文様に由来する」「賠償額が多すぎる」といった見方も出ていると伝えた。
記事は、LVMHグループによる他の提訴案件も相次いで表面化しているとし、LVが中国国家知的財産局を相手取って行政訴訟を起こし、7月16日に北京知的財産裁判所で審理が行われたほか、浙江省寧波市の日用雑貨店も商標権侵害で提訴し、昨年に4万人民元(約85万円)の賠償を命じる一審判決が下されたことを紹介した。
さらに、ティファニーも中国の生理用品ブランド、艾芙尼(アイフーニー)を商標権侵害で訴え、今月9日に北京市高裁が審理したことを報じている。
記事は、中国のSNS上で「外国大手ブランドがまた中国に言いがかりをつけようとしている」といった書き込みが広がり、LVのボイコットを呼びかける動きも出ていると紹介。中国国内メディアからは「一般大衆が反発しているのは千年来伝わる公共文化のシンボルを私有化し、責任追及を拡大する覇権的行為だ」「中国の国産ブランドが徐々に締め上げられる可能性がある」といった論調がみられることを伝えた。
また、今回の一連の訴訟に対する専門家の見解として、国際高級ブランドが従来の偽物対策から、ブランド識別要素の細かな囲い込みへと戦略を転換していることの表れであるとした。
その上で、SNS文化が発展している中国では国際ブランド訴訟が民族的対立に昇華されやすいことから、越境ブランドの権利保護には文化的共感が不可欠であると指摘。法律的に勝っても現地の大衆の文化的アイデンティティを傷つけてしまえば、実質的には高い商業的損失を被ることになると論じた。(翻訳・編集/川尻)











