日本の人気作家・村上春樹の新作「夏帆―The Tale of KAHO―」が7月3日に刊行されてから数日後に、中国のあるネットユーザーがAIを使って中国語に翻訳したことが話題になっている。しかもその翻訳は三流レベルといった代物ではなく、そのよどみの無さが人々を驚かせている。
中国で村上春樹の作品の翻訳者として最も大きな影響力のある林少華(リン・シャオホア)氏も、「ネットユーザーがアップしている中国語翻訳の一部を偶然目にした。全部を読んだ訳ではないが、正直にいって、予想以上の出来だった。なぜなら少なくとも文章によどみが無かったからだ。ただ、AIが翻訳した小説は、ぱっと見はよどみが無くても、ストーリーを訳出したにすぎず、村上春樹独特の作風は再現されていない。ストーリーイコール文学ではなく、作風や文体こそが文学だからだ」との見方を示した。
また、林氏は「AIによる翻訳は出版社に一定の影響を与えるだろう。ネット上でAIが翻訳した作品をたくさんの人が読んでしまえば、当然ながらその販売数に必ず影響が出る。ただ、現時点では、出版社はAIを使って直接翻訳することはしないだろう。少なくとも、文学作品ではしないだろう。その理由の一つは、微妙なニュアンスや言葉遣いをAIはまだうまく訳出することができないからだ。また、翻訳した作品の版権は翻訳者に属するが、AIが翻訳者といえるのかという問題もある。











