2026年8月10日、中国メディアの観察者網は東南アジアへ生産拠点を移転したグローバル企業が再び中国へ回帰する「Uターン現象」が発生している背景について報じた。

記事は、グローバルサプライチェーンの品質検査・監査を行うQIMAのデータを紹介し、1~3月まではグローバル企業の東南アジア移転が加速していたものの、4~6月には北米顧客の中国におけるシェアが35%へと急回復し、逆に東南アジアのシェアが低下したと伝えた。

また、ロイター通信の報道を引用し、中国発のアパレルEC大手SHEIN(シーイン)がベトナムにおける物流施設の賃貸面積を15ヘクタールから6ヘクタールに縮小して現地人員を削減した一方、広東省広州市に100億元(約2350億円)以上を投じてスマートサプライチェーンを建設する計画だと紹介した。

さらに、米ニューヨーク・タイムズの報道などを引用し、米靴大手のスティーブ・マデンが中国からの調達比率を一時10%台まで下げる目標を掲げながらも、2月には約40%まで再上昇させたことや、グローバルOEM大手のジェニメックスが海外移転計画を中止したことを報じた。

記事はその上で、中国への生産回帰を引き起こした第一の要因として、米国の関税政策の変化を受けて「中国プラスワン」に伴う経済的な採算が合わなくなったことを指摘。米国が800ドル(約12万7000円)以下の少額免税制度(デ・ミニミス)をすべての国を対象に廃止したことなどにより、東南アジアと中国の関税差、さらにはコストが大きく縮小したと伝えた。

また、第二の要因として、コストだけでは測れない「サプライチェーンのスピードと産業集積」における中国の圧倒的な強みに言及。トレンドの移り変わりが激しいアパレル業界におけるSHEINの「極小ロット・超高速」モデルや広州市番禺区のような産業集積地域の存在を紹介する一方で、東南アジアでは中国からの部品取り寄せによる「待ち時間」が発生し、それが在庫リスクや輸送コスト、機会損失をもたらしていると論じた。

記事は、東南アジアへ工場を移転させることはできても、周囲のインフラや部品メーカーの集積、熟練工、即応性といった「サプライチェーンのエコシステム」を丸ごと移転することは極めて困難であり、それこそが中国の強みだと結論づけた。(編集・翻訳/川尻)

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