卓球の中国代表は9日に閉幕した2026世界卓球職業大連盟(WTT)横浜チャンピオンズで、金メダルを1個も獲得できない「歴史的惨敗」を喫した。香港メディアの香港01はこのほど、中国卓球界の敗因を分析する記事を発表した。

WTT横浜チャンピオンズでは、日本の張本智和、張本美和の兄妹が男女シングルスでそれぞれ優勝し、世界的大会で兄妹同時優勝という歴史的快挙を果たした。2人は日本生まれだが両親は元中国代表選手で、そろって2014年に日本国籍を取得した。張本兄妹とは対照的に、中国はWTT横浜チャンピオンズで、男子では出場4選手の全員が次々に敗退し、米国スマッシュに続き2大会連続でベスト8を逃した。

中国代表は女子シングルスで3人がベスト4に進出したが張本美和に次々に破られて優勝を逃した。この大会で中国代表は金メダルゼロ、女子の準優勝1という結果に終わった。卓球は中国の「国技」とされ、長年にわたり主要大会のタイトルを独占してきただけに、今回の惨敗は人々に大きな衝撃を与えた。中国は米国スマッシュなど最近の多くの大会でも主力選手を含めて代表の成績が振るわないことから、今回の敗北も決して偶然ではなく、構造上の原因が存在すると見ざるを得ない。

最も重要な原因は、人材育成の断層だ。トップ選手として活躍したベテランが退いた後、新世代はその穴を埋められず、空白が長引いている。男子のトップ選手である馬竜は国際大会から退きつつあり、樊振東はドイツに渡った。中堅世代は王楚欽の孤軍奮闘状態であり、林高遠や梁靖崑は国際試合での安定感に欠ける。中国の新世代選手と世界のトップ強豪との実力差は明らかだ。

かつての「ベテランが陣を固め、中堅が防衛線を守り、新人が突撃する」という三段構えの「メダル獲得の保険システム」は消滅し、競争力は急落した。

さらに、資源をトップ選手に過度に集中させ、新人の実戦機会が極めて乏しいことも大きな問題だ。中国は五輪出場枠の確保や世界ランキングの維持を目的に、重要な大会には絶対的エースを優先して出場させている。優秀な指導者や練習相手も実績ある選手を中心に割り当てられる。若手は低水準の大会にしか出られず、世界のトップ選手と直接対戦する機会がない。指導陣も成績維持を優先することを目的に、調子が落ちていても実績のある選手を重用するので、新人は大舞台での経験が極めて不足したまま放置されているのが現状だ。

中国卓球がWTT横浜チャンピオンズで「歴史的惨敗」、その原因は―香港メディア

選手陣の多様性の乏しさも問題だ。中国男子の1軍や2軍選手はほぼ全員がシェークハンドの打法であり、それ以外の打法の選手は10%未満だ。対照的に、日本はシェークハンド以外の選手が24%を超える。外国勢は長年中国の試合を観戦して分析し、完全な攻略法を編み出した。また、WTTの過密日程により合宿の時間がそれまでと比べて半減し、選手は弱点を修正できずに欠点が固定化されてしまっている。さらに、かつての「不敗神話」の栄光が、若手選手の心理面での重圧になっている。

「かつての栄光」のしがらみがない外国人の若手選手は思い切って戦えるため、気持ちの面で有利だ。

中国卓球界にこうした構造面の問題が出現したと同時に、世界の卓球界の勢力図も質的に変化した。日本、韓国、欧州は長期的なユースの育成を実らせ、「個別のスター選手」に頼るのではなく「全員が強豪」という状況に飛躍し始めた。日本は十数年来、世代を区切った育成を実施して若手を国際大会に派遣してきた。韓国は中国を意識したパワー型選手を育成し、欧州の若い世代の選手も鋭いプレーを見せる。彼らは中国の選手とも頻繁に対戦して情報差や技術差を埋めており、もはや一部のトップ選手に頼るような状態ではなくなった。

試合結果以上に深く考えさせられる現象がある。以前であれば、日本代表が中国代表に勝つと、中国のネットメディアでは決まって日本に対する大バッシングが起き、外国に帰化した選手を「売国奴」とののしる声が絶えなかった。しかし近年は、張本兄妹の勝利に対してもネット上で彼らを祝福する声がバッシングをはるかに上回っている。これはネットユーザーの心理的成熟の表れとも言えるが、外国籍を取得した選手への称賛は、中国代表の人材選抜や起用に不公平さがあると感じる人々の心理を反映したものでもある。(翻訳・編集/如月隼人)

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