中国の「景徳鎮手工陶磁器産業遺跡」が7月末、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界遺産リスト」に登録された。中国メディアは「この文化遺産は中国の若者の間でより親しみを込めて『捏泥巴(泥遊び)』と呼ばれている。
中国通信社(CNS)によると、景徳鎮は「磁都」として知られる。公式な説明によると、「景徳鎮手工陶磁器産業遺跡」は10世紀から19世紀にかけての景徳鎮の手工業による製陶産業システムを代表する遺跡群であり、中国の手工製陶技術や陶磁器芸術、製陶産業の発展と革新の歩みを示している。
過去10年間で景徳鎮の新たな人口は13万6000人増加し、その約8割が若者だった。「景漂」と呼ばれる景徳鎮へ移住して夢を追う人は6万人に達し、最盛期には5000人を超える外国人の「洋景漂」がここで定住し、住宅を購入した。
古い陶磁器工場を再生した文化・クリエイティブエリア「陶渓川」は当初55人のクリエーターからスタートしたが、現在では毎週末1200以上の屋台が並び、それでも出店枠は不足するほどの人気となっている。これまでに2万8600人の職人がここで出店し、その平均年齢はわずか28歳だ。
景徳鎮の事例は決して特別なものではない。国民の文化的自信が高まる中、伝統工芸品は「博物館に並ぶ古い展示品」から「国潮(中国トレンド)の人気商品」へと姿を変え、中国の若者の間でブームを巻き起こしている。
2025年、中国の文化遺産関連市場の規模は1兆1000億元(約2兆1000億円)を突破し、成長率は20%を超えた。このうち、「90後(1990年代生まれ)」「00後(2000年代生まれ)」が消費全体の60%以上を占めた。
文化遺産の要素を取り入れた服を着たり、文化遺産グルメを味わったり、文化遺産を活用した文化クリエイティブ商品を購入したりすることは、中国の若者の新たなライフスタイルとなっている。
今年5月、トランプ米大統領の訪中に同行した電気自動車(EV)「テスラ」の創業者イーロン・マスク氏は、6歳の息子の手を引いて北京市の人民大会堂を訪れた。
子どもが身に着けていた中国伝統の盤扣(チャイナボタン)付きベストと愛らしい虎頭バッグは、たちまちSNSで話題となった。中国のネットユーザーがECサイトで虎頭バッグの販売元を突き止めると、338元(約7000円)で販売されていたこのバッグは一夜にして完売。同ブランドの虎頭帽子や醒獅ヘルメットなど、ほかの国潮クリエイティブ商品にも注文が相次いだ。
CNSは「データによると、中国版TikTokの抖音では過去1年間に『00後』が文化遺産関連商品の注文全体の21.3%を占め、『90後』はさらに高い38.9%を占めた」と紹介。「彼らにとって文化遺産は『古くさいもの』ではなく、『とてもクールなライフスタイル』である。文化遺産を体験し、関連商品を購入することは新世代にとっての新たな交流スタイルであると同時に中華伝統文化を再発見し、その価値を再認識する行動でもある」とも報じた。(編集/日向)











