スターバックスの中国1号店が1999年1月に北京市の中国国際貿易センターにオープンした。当時はカプチーノが1杯19元だったが、カプチーノがどんな飲み物なのか分からない消費者が多かった。

ミレニアムの幕開けとなった2000年代初頭の中国市場ではコーヒーはまだニッチな飲み物で、スタバの価格設定は大衆の日常的な消費レベルをはるかに超えていた。

創業者のハワード・シュルツ氏はかつて公の場で「スターバックスを『手の届くぜいたく』と位置づけている」と述べた。

市場調査会社ユーロモニターインターナショナルによると、08年から13年にかけて、スタバの中国関連市場におけるシェアは12%から31%に上昇した。

しかし、ここ数年の間に、スタバは中国コーヒーブランドの台頭によって「王座」から引きずり下ろされた。23年にはラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)の中国市場売上高が248億6000万元(約5718億円)に達して、初めてスタバ中国を抜いて中国市場で最大のコーヒーチェーンブランドになった。24年になると、ラッキンコーヒーの店舗は2万店を突破し、密度の高い出店、コストパフォーマンスの高い商品により、三線・四線都市、県域を代表格とする「下沈市場」で急速にシェアを奪った。

ラッキンコーヒーの爆発的な人気の本質は、コーヒーに対する「幻想」を取り払い、大衆的なコーヒー消費を打ち出したところにある。ハイエンドな社交的ぜいたく品だったコーヒーは、普通の人々が日常的に眠気覚ましやリフレッシュをするために飲む物になり、消費者はブランドのプレミア価値やカフェ空間の持つ付加価値にお金を払おうとはしなくなった。

スタバのライバルはラッキンコーヒーだけでない。コッティコーヒー(庫迪)やラッキーカップ(幸運珈)も猛烈な勢いを見せている。24年にスタバの中国コーヒー市場シェアは14%に低下した。業界には「速やかに戦略調整を行わなければ、スタバはこれからもっと大きな課題に直面する」との見方が広がっている。

スタバは25年11月に中国のオルタナティブ資産運用会社・博裕投資と戦略的提携で合意したと発表した。双方は中国市場におけるスタバの小売業務を共同で運営し、博裕投資は合弁会社の株式の最大60%を保有することになる。これを「スタバの戦略調整の重要なシグナル」と見る人もいる。

スタバは価格を巡り、市場で若干の「妥協」をしてきた。25年6月には、スタバ中国が数十種類の商品の価格を平均約5元(約115円)下げるとして、初めて値下げを発表した。しかし、この程度の値下げはスタバにとっては別に大したことではない。というのも、スタバの商品価格は値下げ後も30元(約690円)以上するものが多く、中には40元(約920円)を超えるもの、さらには50元(約1150円)を超えるものもあるからだ。

また、商品のイノベーションという点で、スタバの差別化による優位性は弱まり続けている。中国のコーヒーブランドが次々と打ち出す季節限定の新商品やネットで話題のヒット商品に比べ、スタバの商品は若い消費者層を引きつける力が低下している。

低価格化の流れと業界内の激しい競争による打撃を受けて、業界では「かつてスタバの成功を後押しした市場戦略が、今は反対にスタバの発展を阻む足かせになっている」との声が聞こえる。ハイエンドな位置づけと下沈市場におけるニーズとの間でどうやってバランスポイントを見つけるか。これが今、スタバが今後も発展するために向き合わなければならない課題だ。

(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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