香港メディアの香港01は2日、中国ではAI(人工知能)によって制作したショートドラマが半年で22万本も登場しているものの、その98.7%はコストを回収できていないと伝えた。

記事によると、今年上半期に中国版TikTokの抖音(Douyin)では22万1900本のAIショートドラマが配信され、累計再生回数は5157億3800万回に達した。

ただ、採算が取れるのは77本中1本程度で、残る98.7%は製作費を回収できていないという。

中国の広告データ会社DataEyeの林啓文(リン・チーウェン)副社長は、「業界関係者の多くがAIによって制作のハードルは下がったと感じているが、クリエイターの収益が増えたわけではなく、むしろより速く赤字になっている感じだ」と語った。

AIショートドラマが急増する中、中国当局や配信プラットフォームは管理を強化している。9月1日施行の「マイクロショートドラマ発展管理弁法」では、投資額などに応じて3種類に分類し、80万元(約1890万円)以上または特殊題材の作品は国家広播電視総局(広電総局)、30万~80万元(約708万~1890万円)の一般題材作品は省級広電部門、30万元(約708万円)未満の作品は配信プラットフォームが審査を担当する。プラットフォームには配信前審査や番組番号の表示、アルゴリズムの管理なども求められる。

DataEyeによると、AIショートドラマは3月以降急増し、第2四半期には新作の70%を占めた。一方、視聴量の割合は4~5月の80%をピークに、6月には68%まで低下した。AI作品の登場人物の外見が似通い、視聴者に疲労感が生じているという。ショートドラマ配信プラットフォーム「紅果短劇」は、類似した「AI顔」や素材違反の取り締まりを開始し、抖音も肖像権や著作権リスクを事前確認できるツールを導入した。

AIショートドラマの急増は実写ドラマ作品にも影響を与えており、紅果短劇の月間ランキングに入った実写ドラマの新作は2月の432本から6月には110本に減少した。こうした中、当局は優良な実写ドラマの支援にも乗り出しており、6つの主要プラットフォームが少なくとも60億元(約1400億円)を投じて優れた実写ドラマ作品の制作・配信を支援する計画を発表している。(翻訳・編集/北田)

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