序盤の優勢を生かした井上が判定で中谷を下した(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)と、WBA&WBC&WBO世界同級1位の中谷潤人による東京ドーム決戦は、井上が判定により防衛に成功した。5月2日に行われた両ボクサーによる熱戦には、現地に足を運んだ5万5千人の観客とともに、映像を通じてその攻防を目にした国内外のファンや関係者も酔いしれることとなった。

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 試合序盤はそれぞれが間合いを測りながらの戦いが繰り広げられていた中、ラウンドを重ねる毎にチャンピオンが飛び込んでパンチをヒットさせるシーンが徐々に増えていった。さらに、井上は中谷の攻撃も見極め、カウンターをかわしながら試合のペースを引き寄せ主導権を握る。

 中盤から後半にかけては、両者が互いに距離を詰め接近しての激しい打ち合いも展開され、一気にヒートアップしていく。10回には偶然のバッティングにより中谷が眉間から出血。だが、そのアクシデント後も両者は相手を倒しに行く姿勢を崩さず、試合終了のゴングまで死力を尽くす攻防が続いた。

 井上、中谷とも、この試合でダウンは無かったが、序盤からペースを握った井上がジャッジ3-0の判定勝ち。キャリア全勝をキープしタイトル防衛に成功した。一方、敗れた中谷はこれがプロ初黒星となった。

 日本人大物ボクサー同士によるビッグファイトの内容は海の向こうでも報じられており、米メディア『Sports Illustrated』が試合結果をレポートしている。

 同メディアは井上の勝利を伝えながら、「4団体統一スーパーバンタム級王者のナオヤ・イノウエは、自身を日本史上最高のボクサーと断言できる存在となった」と賛辞を綴っており、その戦いぶりをフォーカス。「試合後半にはナカタニも粘りを見せ、見せ場を作ったものの、全体としては王者による安定感のある支配的な内容だった」と振り返っており、さらに、「リーチで劣る不利を抱えながらも、イノウエはジャブとタイミングで上回り、12ラウンドを通じてナカタニの攻撃の大半を封じ込めた」などと指摘。

 王者のパフォーマンスを高く評価する同メディアは、「フットワークとスピードも勝敗を分ける要因となり、イノウエは試合の大部分でナカタニを翻弄。

その卓越した動きにより、“ビッグバン”ナカタニは終盤4ラウンドでリスクを取った攻勢に出ざるを得なかった」と試合の印象を綴っている。

 世界中のボクシングファンが固唾を飲んで見守ったこの試合では、やはり井上の王者としての強さが光った。プロ33個目の白星により4つのベルトを守り抜いたことで、また一つ、偉業が歴史に刻まれた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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