エンディングなんか必要ない。ストーリーも最小限でいい。ただただ広大な箱庭をどこまでも歩いていけるゲームとか、川辺で釣り糸を垂らしているだけで1日が過ぎていくゲームが好きだ。
レースゲームを見るといつも「タイムなんか気にしないで、コースの隅々まで見て回れるモードがあったらいいのになー」と思っていた。レースで優勝するよりも、コースをはずれてどこまで走っていけるか試してみたり、道路脇のカンバンを裏から見たらどうなっているのか確かめてみたりするのが好きだった。
「テストドライブ アンリミテッド 2(TDU2)」(プレイステーション3/Xbox 360/PC)の内容を一言で表すなら、「そういうゲーム」である。
他のレースゲームとの違いは、何と言ってもその自由度の高さ。公式サイトを見ると、ジャンルは「カーライフシミュレーター」とある。本作は「レースに勝つゲーム」ではなく、あくまで「カーライフを楽しむゲーム」なのだ。
もっと具体的に言うと、まずマップがむちゃくちゃ広い。本作のマップは実在する「島」をまるごと再現していて、総面積で言えば東京23区(約2200平方キロメートル)とほぼ同じくらいの広さがある。
第二に、決められたコースというものがない。遠くに見える高い山も、誰かの家の裏庭も、目に見えるところはだいたい走れる。大ジャンプでフェンスを跳び越えれば、空港の滑走路にだって侵入できちゃう。他のレースゲームにありがちな、「ここから先は作ってないから入っちゃダメ!」的な行き止まりもない。