自分のFacebook投稿に関してそう思っていた。同じくTwitterもリアクションが少なくて、心のどこかで寂しく感じていた。
著者は、Facebookページファン5万人、Twitterフォロワー数13万人、メルマガ15万部と、累計30万人以上に情報発信しているソーシャルメディアの第一人者、樺沢紫苑氏(@kabasawa)。同じサンマーク出版から発売された 『メールの超プロが教える Gmail仕事術』は現在、7刷2万3000部、 『ツイッターの超プロが教える Facebook仕事術』は4刷1万9000部が売れているのだという。
本書は、ソーシャルメディア上で「書く」ための心得から、伝わるライティング技術、ネタ探し・スピードライティングのノウハウ、モチベーション持続のアドバイス、気持ちよく活用するためのルールまで、盛りだくさんの内容となっている。
ここでいう「ソーシャルメディア」とは、ウェブ上の「ユーザー参加型のメディア」と定義していて、Facebook、Twitter、ブログ、そしてメルマガまでを含んだものだ。
「ソーシャルメディアに書く上で大切なのは、『濃い情報発信』と『心のこもった活発な交流』。そうして読者の『信頼』を得ること」、というのが本書のテーマ。
「『良い情報』をわかりやすく発信し、『共感』を得る。読者と密に『交流』しコミュニケーションを深め、信頼を獲得する。そのために伝わるように『書く』ということ。そういった信頼を得るために必要なライティングスキルを紹介しています」と書かれている。
冒頭の、投稿に「いいね!」やコメントが得られないで悩んでいる自分に対しては、「あなたから先に『いいね!』をクリックし、あなたから先にコメントをすること。自分がやってもらってうれしいことを、まず自分から先におこなう」という内容が心に響いた。
ここの個所について、著者の樺沢さんに詳しく聞いてみた。
「芸能人、有名人でない限り、黙って『いいね!』がたくさんつくということは、あり得ない話です。ソーシャルメディアの交流は、『自分からする』というのが、原則です。ですから、『いいね!』が欲しければ、まず自分から『いいね!』をしていく。コメントが欲しければ、まず自分からコメントをしていく。それ以外にはありません」
実際、タイムラインを読み返してみたら、見返りなしで自分の投稿に反応してくれる人には、友人の多い少ないにあまり関係なく、いっぱい「いいね!」やコメントが付けられていることが多かった。
樺沢さんは、投稿に対する読者の反応は多いので、すべての人に返すことはできないけれど、今でも1日に20〜30はコメントを返信しているのだという。
本書では、「さらに“スピード”をもってやると効果は倍増します。後からの10行コメントより、投稿すぐの1行コメントの方が喜ばれるし、投稿したばかりだと、相手がログインしている可能性も高いので、より交流が深まります」と続いていく。たしかにすぐに反応をもらうととってもうれしい。
また、へんに「うまく書こう」と思って、結局書かないままになってしまうことが多い自分が勇気をもらったフレーズがある。
「ソーシャルメディアで歓迎される文章とは、上手な文章ではなく、共感を呼ぶ文章です」
樺沢さんいわく、
「ソーシャルメディアでは、文章はうまい必要は全くありません。上手な文章を読みたくて、Facebookやブログを読んでいる人はほとんどいないでしょう。文章の上手、下手ではなく、コンテンツの価値、つまり情報が自分にとって役に立つかどうかが一番重要です。ですから、文章が下手だからといって、落ち込む必要は全くないのです」
「『上手い文章を書こう』から『より、伝わる文章を書こう』へと切り替えると、気持ちは楽になります」
本書には、「執筆にかけた時間と文書の善し悪しは必ずしも比例しません。大事なのは『とりあえず書く』ことです。書き続けて、そこで得たフィードバックを次に生かすことに寄って、必ず上達します」とも書かれている。
自分のような悩みをもっている人はもちろん、忙しくて書く時間がない、書くネタがない、モチベーションが続かないといった人にもぜひ手に取って読んでほしい一冊です。
(dskiwt)
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