review

18世紀イギリスの偉人が「理想の花嫁は自分の頭のなかにしか存在しない」と悟って立てた最低の計画

18世紀イギリスの偉人が「理想の花嫁は自分の頭のなかにしか存在しない」と悟って立てた最低の計画
『理想の花嫁と結婚する方法――児童文学作家トマス・デイの奇妙な実験』(ウェンディ・ムーア著、鈴木涼子訳、原書房)
理想の花嫁がいなければ、作ってしまえばいいんじゃない?

映画『マイ・フェア・レディ』『プリティ・ウーマン』のように、「理想の女性を作り上げる」といった筋立ての物語は少なくない。もしかしたら、世の男性には、多かれ少なかれ潜在的にそうした欲求があるのかもしれない。とはいえ、それはあくまでフィクションの話。実際にそんなこと……あるんですね、これが。

『理想の花嫁と結婚する方法』の主人公トマス・デイは、奴隷制度廃止論者で、児童文学の先駆けとして知られる18世紀イギリスの偉人だ。自由や人権に関して進歩的な意見を持ち、頭脳明晰で高い教育も受けている。その上、たいへんな資産家。本来であれば、モテモテであってしかるべき男である。しかしデイは、当時の流行にも風習にも無頓着、ようするに、階級に相応しくない行動・言動を繰り返す「変わり者」と見なされていた。

もっとも、世間からズレているとはいえ、自らの力と才能と財産を善行のために使おうというデイは、尊敬を集めるのに十分な「徳の人」であり、興味を持つ女性も少なからずいた。しかし、彼の理想主義は、自分の伴侶となる女性の資質にも向けられた。そして、それが彼を結婚から遠ざける。

デイの考える理想の花嫁像とは、聡明で博識で機知に富み、純粋で清らか、若く美しくたくましい女性であり、農民のようなつましい生活を好み、デイを主人として、教師として、自分より優れた人物として尊敬し、彼の要求や気まぐれに応え、彼の意見や信念に完全に同調してくれる女性ーーということになる。

あわせて読みたい

  • リアル貴族作家が描いた貴族とメイドと執事がいる世界『エドワーディアンズ 英国貴族の日々』

    リアル貴族作家が描いた貴族とメイドと執事がいる世界『エドワーディアンズ 英国貴族の日々』

  • レビューの記事をもっと見る 2014年9月30日のレビュー記事
    この記事にコメントする

    \ みんなに教えてあげよう! /

    トピックス

    今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

    レビューニュースアクセスランキング

    レビューランキングをもっと見る

    コメントランキング

    コメントランキングをもっと見る

    トレンドの人気のキーワード一覧

    新着キーワード一覧

    エキサイトレビューとは?

    エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。

    その他のオリジナルニュース

    通知(Web Push)について

    Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら