松坂桃李のゴールデンプライム枠初主演作
10月20日スタートのドラマ「サイレーン」(関西テレビ・フジテレビ系、毎週火曜夜10時)。主人公の警視庁機動捜査隊員・里見偲(さとみしのぶ)役を演じるのは、松坂桃李。ドラマ主演は4年ぶり、民放ゴールデンプライム枠の連続ドラマでは初主演となる。

原作は山崎紗也夏の人気コミック
原作は『モーニング』(講談社)で連載されていた山崎紗也夏の同名漫画。

コミックス1巻の巻末マンガ「サイレーン通信」によると、“サラサラヘアーの美女で悪魔”が描きたいという思いから生まれた作品だという。タイトルは、ギリシャ神話に登場する海の怪物「セイレーン」にヒントを得た造語。美しい歌声で船乗りを惑わし、遭難させる魔物よろしく、橘カラが会う人、会う人の運命を狂わせていく。原作から今回のドラマの見どころを探ってみたい。

ライバルで恋人という、バディもの
里美と猪熊は、警視庁機動捜査隊に所属し、事件の初動捜査を手がける。恋人関係だとバレると異動になってしまうため、職場にはふたりの関係を秘密にしているという設定。殺人現場で出会った、謎めいた美女が、猪熊に興味を示し、近づいてくるところから物語は始まる。

これまで刑事のバディものは男同士、あるいは事件解決を通して恋心が芽生えていくというストーリー展開が多かったが、本作では最初から恋人。猪熊は大雑把な性格で、橘カラが見せる悪意の影に気付かない。一方、里美はいち早く不穏な気配を察知し、危険から猪熊を守ろうとする。

恋人同士であることをバラしたくない里美&猪熊と、悪事をバラしたくない橘カラ。
菜々緒演じる、史上最凶の悪女VSけなげな年下男子
悪女役がすっかり定着しつつある菜々緒が今回演じるのは、顔色ひとつ変えずに次々と人を殺していくという、絶世の美女・カラ。なぜ殺すのか、なぜ猪熊に執着するのか、動機がわからない分、恐ろしさが増す。

原作の里見は、カラの美貌にピンと来ていない。かなり印象的な美女として描かれているにも関わらず、”どんな顔だっけ……”と記憶も曖昧な始末。里見の興味の矛先はひたすら猪熊のことばかり。無防備にカラと親しくなっていく猪熊をひたすら心配している。

カラが務めるキャバクラに足を運ぶのも、猪熊が心配だからという理由。親に挨拶に行けないなど、ちょっと頼りないところはあるが、それを補って余りあるけなげ男子ぶりもお楽しみのひとつだ。

また、本作では、松阪&木村のアクションシーンもふんだんに盛り込まれているという。木村演じる猪熊は柔道が得意で、不審者や容疑者を片っ端から投げまくる。一方、松坂演じる里見は元機動隊で体力自慢という設定。

(島影真奈美)