review

「ちかえもん」は悲しくてやりきれないコメディか

先週は、ザ・フォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」(1968年)だった。
何かといえば、NHKの木曜時代劇「ちかえもん」(木曜よる8時~)第2回(1月21日放送)の劇中で、松尾スズキ扮する主人公・近松門左衛門がうたっていた歌である(今回も「うた 近松門左衛門」のテロップがお約束のように登場)。

先々週放送の第1回で近松が歌っていたのは「大阪で生まれた女」だったので、次は「やっぱ好きやねん」か「悲しい色やね」あたりではないかと踏んでいたのだが、いや、すっかりはずしました。まあ、オリジナルの「悲しくてやりきれない」を歌ったフォークルも関西は京都出身のバンドなので、近松が歌っても何の無理は……ありますな。
「ちかえもん」は悲しくてやりきれないコメディか
フランキー堺が居残り左平次を演じた映画『幕末太陽傳』(1957年)。2015年には青木崇高の主演で舞台化(江本純子脚本・演出)もされている。「ちかえもん」で青木が扮する万吉も目下、遊郭に居残り中

それはともかく第2回、本作の狂言回しというべき「孝行糖売り」の万吉(青木崇高)は前回より引き続き、「元禄のキャバクラ」=堂島新地の遊郭・天満屋に居残り、遊んだ金が払えない代わりに雑務をこなしていた。これが意外とてきぱきとこなし、またそのキャラクターゆえか、遊女や店の人たちからも妙に人気を集める。そのなかにあって、つんけんしてまったく愛想のない遊女が一人。それが早見あかり演じるお初なのだが、万吉は彼女を一目見たとたんすっかり惚れこんでしまう。

名作『曾根崎心中』の新解釈か


恋の病にかかった万吉、お初を嫁にしたいと近松に相談に赴く。非モテの中年男に恋愛相談とはどう考えてもお門違いだが、さすがに作家とあって、「一、見栄 二、男 三、金 四、芸 五、精 六、おぼこ 七、ゼリフ 八、力 九、肝 十、評判」のうちどれか一つ備わっていれば女ができるという十カ条を説いて聞かせる。こう、いくつかキーワードをあげるともっともらしく聞こえるのは、いつの世も変わりませんな。ちなみに五の「精」は精力かと思いきや、さにあらず、精を出して働くことらしい。以下、六の「おぼこ」は母性本能をくすぐる子供っぽさ、九は度胸を指す。

あわせて読みたい

  • 松尾スズキ「ちかえもん」の謎を検証

    松尾スズキ「ちかえもん」の謎を検証

  • 死刑もありえた、江戸の本屋さん事情

    死刑もありえた、江戸の本屋さん事情

  • 閲覧注意。日本初の春画展いよいよ開催

    閲覧注意。日本初の春画展いよいよ開催

  • 『わらう春画』の危険な誤解を指摘する

    『わらう春画』の危険な誤解を指摘する

  • レビューの記事をもっと見る 2016年1月28日のレビュー記事
    この記事にコメントする

    \ みんなに教えてあげよう! /

    トピックス

    今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

    レビューニュースアクセスランキング

    レビューランキングをもっと見る

    コメントランキング

    コメントランキングをもっと見る

    トレンドの人気のキーワード一覧

    新着キーワード一覧

    エキサイトレビューとは?

    エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。

    その他のオリジナルニュース

    通知(Web Push)について

    Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。