普段、周りの常連客の卓を覗いて店の特徴や名物料理を推測する五郎さんだったが、今回は不要。ただ、提供スペースで女将(中尾ミエ)が運ぶ料理を横目で見ればいい。目の前の料理人の手つきを、「おぉ〜、そうする!?」と楽しむだけで、情報はわんさか入ってくるのだ。

「チキンステーキ」「レバーのから揚げ」「チキンのカレーソース」「パンコキュール」「ア・レ」……。どんどん流れてくる料理に五郎さんは困惑。結局はガーリック醤油のインパクトに押されて「タンステーキ」をオーダーした。

シェフ本人が演じる生々しさ


最初に届いたのは、ランチセットについてきた「チャーチャースープ」だ。作中ではどういう意味なのか明かされなかったが、どうやらオリジナルのようで、五郎さんは、「ボルシチっぽいけど、また違う」「さりげなくすごいスープ」と評している。続いて登場した「プチサラダ」にはニンジン味のドレッシングが添えられていた。昔からの洋食屋といったチョイスでいい。

「おぉ、俺のステーキが燃えている」

目の前で焼かれる「タンステーキ」。今回は席が席だけに、料理人の手元が映るシーンが多かった。そのためか、料理人は役者ではなく、普段から店で働く本物のシェフ・根岸さんが本人役を務めた。

本人が演じると、当たり前だが職人感が出る。いや、不要なセリフがなければ、演じる必要すら無い。女将が取ったオーダーに対する控えめな返事、気張らない鍋の振り方に、店本来の雰囲気を感じる。それは、ドラマとは思えないほどに生々しい。