2026年4月13日、韓国メディア・中央日報は、韓国の学校現場でいじめ問題が教育や法律の枠を超え、今や保険の領域にまで拡大していると報じた。

記事によると、小学5年生の子を持つAさんは昨年、思いも寄らない事態に直面した。

自分の子がクラスメイトに物を頻繁に借りたり、にらんだりしたという理由で、学校暴力対策審議委員会にかけられた。教育庁の結論は「措置なし」だったが、相手の親は納得せず、2500万ウォン(約270万円)の損害賠償訴訟を提起。最終的に請求は棄却されたものの、精神的・経済的に追い詰められたAさんは現在、「いじめ保険」への加入を検討しているという。

韓国の損害保険業界によると、主要5社におけるいじめ関連の保険金支給件数は、21年の231件から25年には3443件へと、わずか4年で約15倍に増加した。背景には、いじめの記録が大学入試の結果に直結するようになった制度の変化がある。入試への影響を最小限に抑えようと、訴訟費用をカバーする保険の需要が爆発的に増加したという。

現在、韓国の各保険会社は「スクールガード保険」などの名称で、被害者の治療費だけでなく弁護士や行政書士の選任費用、さらには後遺症まで幅広く保障している。また、教師が児童虐待などで訴えられた際の弁護費を保障する「教職員安心保険」も登場し、1万人近い教職員が加入するなど関心を集めている。

専門家は「こうした保険の普及が『法的対応の乱発』を招いている可能性がある」と指摘。全校生徒を加害者としていじめを訴えたり、交際関係における単純な痴話げんかを訴訟に持ち込んだりするケースも頻発しており、業界からは「本来の教育的な解決が失われている」と懸念の声が上がっているという。

これについて、韓国のネットユーザーからは「2500万ウォンなんて…本当に勝てると思っていたのか?」「にらんだだけで訴訟なんて、世も末だ」「学校が勉強する場所ではなく、互いを監視して訴え合う場所になっている」「いじめがひどいのは事実だが、親の過保護が問題をさらに大きくしている」「弁護士と保険会社だけがもうかる構造だ」などの声が上がった。

一方で、「こうした事例は心が痛むが、学校内での問題がきちんと議論されるようになったこと自体は進歩だ」「そもそも入試に影響するようになったのは、ひどいいじめが放置される現実があったためだろう」「いじめに対して適切で透明性のある処置が取られれば乱用される恐れもない。

公正で迅速な検証体制を構築すべきだ」「実際に支給された件数がこれだけ増えているということは、それだけ学校内での問題が起きているということでは?」「何でも悪用するおかしな人はいるから、残念だが仕方ないともいえる」などの意見も見られた。(翻訳・編集/樋口)

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