仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は、中国漁船が南シナ海の係争中の海域で有毒なシアン化物を投棄しているとして、フィリピン当局が非難したと報じた。

AFP通信によると、フィリピン国家安全保障会議(NSC)は、中国側による南シナ海・南沙諸島(スプラトリー諸島)での毒物投棄は昨年に始まり、セカンド・トーマス礁付近で発生したと説明した。

NSCのコルネリオ・バレンシア副局長は「シアン化物の使用は魚など海洋資源を破壊することを目的とした行為であり、海軍の重要な食料源を奪うだけでなく、汚染水域への接触や毒に侵された魚の摂取といったリスクにも直面させるものだ」と非難した。

フィリピン海軍によると、現時点で兵士に対する毒物検査では陽性反応は出ていないとのことだが、2025年2月、7月、10月にそれぞれ、中国漁船が投棄したシアン化物入りの瓶を計10本回収したという。先月には、中国船の乗組員が付近の海域で毒物を投棄する様子をフィリピン側の兵士が目撃したといい、その後の分析で当該地点からシアン化物が検出されたとのこと。

バレンシア氏は、第2次世界大戦中に建造され、フィリピン海軍が中国側の進出を阻止する目的で意図的に座礁させた軍艦シエラマドレ号の基盤構造にも影響が出る可能性があると懸念を示した。フィリピン政府はすでに海軍および沿岸警備隊に対し、巡視の強化を命じている。

一方、中国外交部は13日の定例会見で「フィリピン側は正常に操業する中国漁船に対して不法に妨害を行い、漁民の生活物資を奪った上、いわゆる『シアン化物』の茶番を自作自演している。全く信ぴょう性はなく、反論するに値しない」と主張した。

南沙諸島は中国とフィリピンが領有を争う海域で、両国の衝突が頻発している。中国側は南シナ海のほぼすべての島礁の主権を主張しており、国際仲裁裁判所がその主張に法的根拠がないと認定した裁定にも異議を唱えている。中国が12年にスカボロー礁(黄岩島)を実効支配して以降、フィリピンは中国漁民が周辺海域でシアン化物を用いた違法漁を行い、サンゴ礁を破壊しているとたびたび非難している。(翻訳・編集/北田)

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