トランプ米大統領と中国の習近平国家主席による米中首脳会談が北京市内で5月中旬に開催される。一方で中国政府は4月上旬、「産業チェーンとサプライチェーンの安全に関する規則」(以下「規則」)を発表した。
米国のトランプ政権は一貫して自国企業に「リスク軽減」を促してきた。すなわち中国製品への依存を減らし、重要鉱物や医薬品などを含む戦略産業において「主導権」を取り戻すことを進めてきた。
一方で、中国側の新たな「規則」は、「外国の国家、地域および国際組織が国際法と国際関係の基本準則に違反し、産業チェーンおよびサプライチェーンにおいてわが国に対し差別的な禁止、制限またはその他の類似の措置を講じ、わが国の産業チェーンおよびサプライチェーンの安全を損なう行為を実施または実施を援助した場合」には、中国側は「関係する貨物、技術の輸出入または国際サービス貿易の禁止または制限、特別費用の徴収およびそれ以外の相応の措置」を取ることができると定めた。すなわち、この「規則」は外国企業の「中国離れ」を阻止することを狙ったものだ。
中国に進出した西側企業は、この「規則」に対して懸念を示している。中国に進出した米国系企業の団体である「中国美国商会」の関係者はロイターに対して「中国は外国企業からの調達を減らしてもいかなる処罰もほとんど受けないが、外国企業が中国への依存を減らした場合、中国当局の調査(と処罰)に直面する可能性がある」と述べた。
トランプ政権発足以来の経済における米中の対立では、米国側が自国製ソフトウェアの中国への輸出を停止し、また中国製品に高額な追加関税を課すと、中国は重要鉱物の輸出制限を始めるなど、「パンチの応酬」が続いてきた。しかし米国は今のところ、中国の新たな「規則」に対して反応を示していない。ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道官は中国側の「規則」について記者から質問されたが直接には答えず、「(トランプ政権は)米国の経済力を引き続き利用して、米国の国家と経済の安全を維持していく」と述べるにとどめた。
業界関係者の一人は中国側の「規則」について、「弾丸を装填するが発砲はせずに脅しを行うようなものだ。米国政府が『戦略的安定の維持』に重点を置いていることを考えれば、米国が米中首脳会談の前に反応を示す可能性は低い」と述べた。
米国のシンクタンクである民主主義防衛財団(FDD)で中国関係を担当するクレイグ・シングルトン氏は、「現在に至るまで、ワシントンの反応は沈黙だが、このことはある種の緩和の兆候が存在することを示している可能性がある。特に両国の首脳会談が近づくにつれて、米国政府は公の場でのいかなる緊張の高まりをも避けることを望んでいるようだ」と述べた。
シングルトン氏はさらに、中国側の「規則」の問題は解決せねばならないと主張。その理由として、解決できない場合には「(中国が)サプライチェーンを利用した脅迫を常態化させ、企業の(中国)依存を固定してサプライチェーンが中国から移転するのを阻止するために、中国がその他の経済制裁の手段を作り出すことを加速させる」との考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人)











