「ユニクロ」日本では知らない人がいないほどのカジュアルブランドだ。日本がバブル後の不況にあえいでいた1990年代半ば、ユニクロは中国で生産した低価格・高品質の衣料品を大量販売し価格破壊の象徴的存在となった。
現在、ユニクロは中国でも積極的な展開をはかろうとしている。「服を変え、常識を変え、世界を変えて行く」とするユニクロのキーワードは”危機感“だった。

――“性価比”でお客様の満足を 
 
 上海市南西部のショッピングの中心地、徐家匯。そこにひときわ高くそびえ立つ港匯広場にユニクロのショップがある。休日ともなれば、店内は若者や家族連れなどでにぎわう。上海でもユニクロブランドは確実に浸透しつつある。

 ユニクロと中国は切っても切れない関係にある。90年代にユニクロが急成長した要因は、中国で生産することでコストを下げながらも、日本的な生産管理で高品質な製品を大量に生産したことだ。当時は常識とされていた「安かろう悪かろう」という中国製品へのイメージを打破した結果だった。現在、ユニクロは生産拠点だった中国を最大の海外市場ととらえ、店舗展開を積極的にはかろうとしている。

 中国での出店を陣頭指揮しているのが迅銷(中国)商貿有限公司(以下、ユニクロ中国)の高坂武史副総経理だ。中国と日本は物価や所得に大きな開きがあり、日本と同じ手法では成功は難しい。
高坂副総経理は「中国では価格だけでは勝負になりません。こちらの言葉で”性价比“、お客様に価格以上の満足感をお届けする。より豊かな生活を感じてもらえる商品を提供していきたい」と方針を語る。

 ユニクロ中国では現在、上海をはじめ北京、杭州、南京、無錫に合わせて15店舗を構えている。2002年に初めてのショップをオープンさせて6年、出店のペースはそれほど速いとはいえない。「これまでは中国での展開を模索していた時期、これからペースを上げますよ」、高坂副総経理の鼻息が荒い。ユニクロ中国では08年12月から09年1月にかけて北京、深セン、寧波など5都市に6店舗をオープンさせる予定だ。

――「常に危機感を抱き果敢にチャレンジ」 

 「金融危機は恐れていません。会社が順調だと思ったことは一度もありません。わたしにとっては毎日が危機なのです」、金融危機への対策はと聞いたとき、高坂副総経理はこう答えた。「努力しない企業は、どんな時代、どんな環境でも生き残れません。いい物を買いたい、いい服を着たいという願望は誰にでもあるはずです。
わたしたちはそうしたお客様のニーズにきちんとこたえていくだけです」(高坂副総経理)。

 この言葉には背景がある。北京に出店するときのこと。事前調査としてユニクロの認知を聞いたところ、知っていると答えたのは非常に少数だった。知名度の低い中での出店だったが、売り上げは順調に伸び、いまではタレントやテレビキャスターが足を運ぶ店になっているという。

 ユニクロを展開するファーストリテイリングは先ごろ08年8月期の連結決算を発表した。それによると海外事業が初めて黒字化した。これには、中国をはじめとするアジア市場での事業拡大が大きく貢献している。「世の中は生き物です。その変化にリスクを恐れずチャレンジしていく。企業には勇気が必要です」と語る高坂副総経理。日本で価格破壊の旗手として急成長したユニクロ、世界最大の衣料品市場で新たな挑戦が続く。


迅銷(中国)商貿有限公司
上海市辛耕路133号永新城4楼
TEL:021-3368-6161





※この記事は、現地の日本語情報誌『SUPERCiTY』による提供です。今の中国を知るための総合情報ポータルサイト URL:http://www.chinasupercity.com/

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