ワンプレーに悔しさが込み上げた。サンフレッチェ広島のDF山﨑大地が、6日に行われた明治安田J1百年構想リーグ・地域リーグラウンド第15節のヴィッセル神戸戦にフル出場。
マッチアップした神戸FW大迫勇也をほぼ封じる活躍を見せたが、失点に絡んだことで試合後は「悔しいです」と肩を落とした。

 3試合ぶりの勝利を目指した広島はホームで立ち上がりから主導権を握ってチャンスを量産。43分にはMF東俊希の鮮やかなクロスをFW加藤陸次樹が頭で叩き込んで先制に成功した。

 山﨑は、前節負傷交代したDF荒木隼人に代わって3バックの中央で出場。「試合前から目の前の相手にやられないことを自分の中で決めていました」と強い気持ちで元日本代表FWと激しいバトルを繰り広げた。

 25歳のセンターバックにとって、大迫とのマッチアップは初めての経験。「実際にやってみたら、やっぱり他の選手とは違うなと感じました」と経験豊富なストライカーの実力を体感した。

「自分の感覚でいけるかなと思ったシーンでも体を預けられてうまくキープされたり、相手もうまいこと自分が行きにくいところにボールを落としてきたりするので、そういったとこはプレスに行っていいのか、行かない方がいいのかの判断で難しさはありました」

 ただ、山﨑も「味方のフォワードにどういうプレーが嫌だとかいろいろ聞きながら準備をして、自分でも試合の中でいろいろ試しました」と果敢に戦い、大迫を自由にはさせなかったが、「何回かやられてしまったシーンはあったので、そこは完璧にしていかないといけないと思います」とさらなる向上を誓う。

 大迫とのバトルでは好守を見せていたが、63分に不運な形で失点に絡んだ。山﨑が相手のロングボールを頭でクリアすると、ボールは目の前の神戸FW小松蓮に直撃。そこで入れ替わった小松にこぼれ球を拾われて突破を許し、「結果論ですけど、前に弾けていたら、なにもなかったと思いますし、『なんでこぼれるかな』って感じでした。映像を見返してしっかり修正していきたいです」と振り返った。


 突破されたあとも、「自分が開けてしまった穴だったので、守るためにしっかり戻りました」とミスを取り返そうと懸命に走って足を伸ばした。小松のシュートにはわずかに触れたが、ボールはそのままゴールネットに吸い込まれた。「大迫(敬介)選手とも話して、2人で合わせたら守れたかなとも思うので、悔いが残ります」と心境を吐露した。

 広島は試合を通じてシュートを相手の倍以上の19本も打ったが、神戸GK権田修一の好セーブもあって追加点を奪えなかった。1-1のまま90分を終えると、PK戦は4-5で敗れて3試合勝利から遠ざかる結果となった。

 山﨑は大迫をほぼ抑え、鋭い縦パスも入れて最後尾から攻守にわたってチームの躍動に貢献。不動CBの荒木とのさらなる競争激化を予感させる好パフォーマンスだった。しかし、本人は試合後、「ミスは1つだけで、あとはあまり危ないシーンはなかったので、その1つだけで隙が出てしまいしました」とワンプレーに悔しさを滲ませた。

 これまでも2024年の右ひざ前十字じん帯断裂の大怪我や、その怪我からの復帰戦で思うようなプレーができず、悔しい経験をしてきた。だが、広島出身のDFは常に顔を上げ、明るく前を向いて取り組んできた。

 今回はJリーグ屈指のFWとの対決を経験して、「あんまりやられた感じもないので、自信にしていきたいです」と手応えも得た。「次の試合がすぐきて、やり返せる場がありますし、もうピッチでやるしかないので、そこで100パーセント出すためにいい準備していきたいです」と悔しさを成長の糧に山﨑はまた前を向く。


取材・文=湊昂大


【ハイライト動画】サンフレッチェ広島vsヴィッセル神戸

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