今週末は東京競馬場で競馬の祭典、日本ダービーが行われる。世代の頂点に立つのは果たしてどの馬か。

ロブチェンとリアライズシリウスの“2強構図”に

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 今年の牡馬クラシック戦線は、春先まで主役不在の混戦ムードを呈していた。しかし、皐月賞でロブチェンが逃げ切り。前走に続きロブチェンが1番人気に支持されることが濃厚で、皐月賞2着馬リアライズシリウスとの2強という構図になっている。

 そのロブチェンは17番枠、リアライズシリウスは11番枠と外目の枠に入った。どちらも理想は真ん中より内枠だったはず。当日の馬場がどうなるかだが、ダービーでありがちな“グリーンベルト”がラチ沿いに出現するようなら、2頭の間に割って入る新星が現れてもおかしくないだろう。

 それでもこれまでの走りから、ロブチェンが戴冠に最も近い存在なのは間違いない。血統的にも父ワールドプレミアが長距離G1を2勝したマラソンランナーだったため、皐月賞からの2ハロン延長は歓迎という見方が大半だ。

ディープインパクトの孫は「ダービー未勝利」という不吉データ

 しかし、ワールドプレミアの父、つまりロブチェンの祖父“ディープインパクトの血”が、孫の二冠達成を阻む可能性がある。

 日本近代競馬の結晶とまで呼ばれた三冠馬ディープインパクト。ご存じの通り、種牡馬としても大成功を収め、これまでダービー馬を7頭も輩出している。しかも、その偉業をたった13世代で達成しているというから驚きだ。

 まさに“ダービー馬はダービー馬から”という格言を実践していたわけだが、実はディープインパクトの孫はいまだダービー未勝利である。父系の孫は昨年まで【0-1-0-17】とサッパリで、2着のジャステンミラノも1番人気を裏切ってのもの。


 さらに母父ディープインパクトの産駒も【0-1-1-5】という成績が残っている。ディープインパクトの孫は、通算25戦全敗で今年のダービーを迎えることになる。

 オカルトチックといえばそれまでだが、ロブチェンにとっては何とも嫌なデータともいえるだろう。そして今年はフルゲート18頭のうち、ディープインパクトの孫が半数の9頭にも上る。

 ロブチェン以外には、皐月賞5着馬フォルテアンジェロ、東京スポーツ杯2歳S覇者のパントルナイーフ、そして3つの前哨戦を勝利したゴーイントゥスカイ、コンジェスタス、メイショウハチコウなどだ。

近年のダービー馬に共通する“父の雪辱”というトレンド

 では逆にどの馬が狙い目か。それは直近4年間のダービー馬にヒントが隠されている。

 その前にまず、2012年から21年のダービー馬を振り返っておくと、14年のワンアンドオンリーを除く9頭がディープインパクトかキングカメハメハの産駒だった。つまり90%の確率でダービー馬からダービー馬が誕生していた。

 しかし、2022年からその流れが急変。直近4年間はハーツクライ、サトノクラウン、エピファネイア、キタサンブラックといったダービーで敗戦を喫した馬の産駒が、ダービーで父のリベンジを果たしている。

 この4頭の種牡馬に共通しているのは、ダービーで3番人気だったこと。そして4年連続で違う種牡馬の産駒が優勝していることを踏まえて、今年の出走馬の中から上記4頭の産駒を除外。
その上で、今年のダービーで勝つ資格のある馬をあぶりだした。

勝利の方程式から浮上した穴候補2頭

<日本ダービー>ロブチェン含む“9頭”に「25戦全敗」の絶望的なジンクス…代わって浮上した穴馬2頭とは
グリーンエナジー 写真/橋本健
 この勝利の方程式に当てはまったのは2頭。リオンディーズ産駒のアスクエジンバラと、スワーヴリチャード産駒のグリーンエナジーである。

 8戦と豊富なキャリアを誇るアスクエジンバラは昨年のホープフルSで3着、皐月賞でも4着と世代上位の実力を発揮してきた。にもかかわらず、人気になりづらいタイプ。ダービーでも人気薄になるとみられており、鞍上の岩田康誠騎手がこれにへそを曲げて会見を拒否したと管理する福永祐一調教師が明かしていた。

 しかし、その鞍上は勝利に執念を燃やしている。17日のレースで落馬した岩田康騎手は、鎖骨を骨折。2日後に患部にプレートを入れる手術を行ったばかりで、体は万全とはいえない。それでも岩田康騎手の意気込みに乗ってみるのもアリではないか。

グリーンエナジーは不安要素も…

 そしてもう1頭のグリーンエナジーもまた、状態に不安が残る。皐月賞では、2番人気に推されるも、イン前有利な中、4角10番手の大外から追い込んだが結果は7着だった。

 本来の実力からすれば、ダービーを2~3番人気で迎えてもおかしくないが、1週前追い切りの直前に熱発を発症。
陣営は軽度だったと強調しているが、木曜日の最終追い切りまで速い時計を出せなかったのも事実だ。さらに調教後馬体重も大幅に減っており、かなり人気を落としてレースに臨むことになるだろう。

 今年のダービーは不安材料を抱えるものの、世代屈指の実力を示してきた2頭の激走に期待したい。

文/中川大河

【中川大河】
競馬歴30年以上の競馬ライター。競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。競馬情報サイト「GJ」にて、過去に400本ほどの記事を執筆。
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