◆JERAセ・リーグ 阪神―巨人(15日・甲子園)=雨天中止=

 巨人は15日の阪神戦(甲子園)が雨天中止となり、先発予定だった田中将大投手(37)が16日の同戦にスライド先発することが決まった。移籍2年目で初となる伝統の一戦は仕切り直し。

今季2登板で1勝負けなし、防御率1・42と好調な右腕に3カードぶりの勝ち越しが託された。レギュラーシーズンでは自身4年ぶりとなる甲子園での登板を前に室内練習場で調整を行い「勝利につながる投球ができれば」と必勝を期した。

 意に介さずだった。心をリセットし、田中将は終始、明るい表情で調整を進めた。先発予定のゲームが中止。報道陣の希望で、登板前日恒例の囲み取材が2日連続で発生した。「スライドの難しさ? こういう囲みですかね(笑)ちょっと洗礼を受けてます」。そう冗談を飛ばす姿に長年の経験と余裕がにじんだ。

 試合開始3時間半前の午後2時30分に「雨天中止」のアナウンス。「中止が決まったの早いじゃないですか。そんな時間から集中してたら、試合もたないですから。早く決まった分、それは良かったかなと思います」とすぐ翌日に気持ちを切り替えた。

プロ20年目、日米通算201勝を誇るベテランはスライド登板の“鬼”でもある。楽天時代、試合中止の翌日に先発した試合では計4戦2勝0敗、防御率1・03(35回自責4)と圧巻の成績。うち3登板で9回を投げ抜き、残り1試合も8回無失点と一流の対応力を示してきた。

 この起用は首脳陣の信頼の表れともいえる。開幕から2戦で1勝0敗、防御率1・42と安定感が光る今季。前回8日の広島戦(マツダ)も移籍後最長の7回をわずか79球で自責0と好投した。現状、先発陣で最も調子のいい投手を虎とぶつける。杉内投手チーフコーチは好調の要因を「ベース上の真っすぐの強さ。変化球に頼らなくてもファウル、見逃しを取れるところ」と分析し「期待してます」と背中を押した。

 10試合に先発した昨季は同一リーグで唯一、阪神との対戦だけがなかった。移籍2年目にして自身初の伝統の一戦。その重みは背番号11も自覚している。

「伝統の一戦と言われるカードは他にはない。そういう歴史あるゲームをやれるチームにいることは当たり前のことではない。誰もが経験できることではない。それを勝つ、いい投球をして勝利につなげられたら」と自らを奮い立たせた。

 14日の第1戦は執念の逆転劇で4―3勝利。甲子園では昨年から9試合連続1点差で勝負が決している。「昨シーズンはそういうゲームを落とすことの方が多かった。今シーズンは『こちら側が何とか最後つかみ取れるように』って気持ちで皆プレーしている。僕もしっかりと防げるところは防いでいきたい」。阪神戦は通算11試合で5勝5敗。地元・兵庫の甲子園での対決に限れば、白星を挙げれば10年5月16日以来、16年ぶりとなる。「状態がいいのは間違いない」。

確かな自信を黒土のマウンドで証明する。(堀内 啓太)

 ◆田中将と甲子園 駒大苫小牧2年夏に全国制覇、翌夏は決勝で早実・斎藤佑樹(元日本ハム)と再試合にもつれる死闘を演じて準優勝。プロ入り後は楽天時代、阪神戦に通算11登板、5勝5敗(2完投)。甲子園での対戦に限れば4登板1勝2敗、防御率3.00。巨人移籍後の甲子園登板は昨年3月9日のオープン戦で3回2安打1失点。今年も3月8日のオープン戦で先発し3回1安打無失点と好投した。

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