◆第108回全国高校野球栃木大会▽2回戦 国学院栃木9―3矢板中央(15日・エイジェックスタジアム)

 春夏通算6度の甲子園出場を誇る国学院栃木が、矢板中央を下し3回戦進出を決めた。

 身長184センチでプロ注目の大型遊撃手・農作力(のうさく・ちから)内野手(3年)は「2番・遊撃」で出場。

1点を追う3回1死二、三塁の場面でフルカウントから外角の直球を逆方向へはじき返し、同点の右前打を放った。続く4回には緩いカーブを左前へ運び、2打席連続の適時打。この試合3打数2安打2打点と活躍し「今日は流れが悪い中で、どんどん振っていったのがよかった」と手応えを口にした。

 持ち前の守備力も見せつけた。5回、先頭打者の放った難しいバウンドのゴロを華麗に捌くと、一塁へ矢のような送球。視察に訪れたNPB球団スカウトからは「肩がよくてハンドリングもいい。打撃も春から成長しているし、守備だけでも面白いと思える選手。高校生上位クラス」と高い評価を得た。

 取り組み方にも意識の高さが見える。コンタクト力向上のため、春の県大会では木製バットを使用するなど工夫。この試合では金属バットを使ったが、前日の打撃練習では木製を使用し、感覚を調整した。「木製を使うのは、しっかり当てる練習をするため。

自分のバッティング向上のために監督の勧めもあって使っています」。苦手意識のあった打撃を向上させるべく、日々努力を重ねている。

 生粋のジャイアンツファンで、憧れは巨人・坂本勇人。同じ右投右打の遊撃手として「自分と同じ高身長で、守備がうまい。バッティングもチャンスに強い」と意識する。

 この試合、応援席には母・ユリさん(47)も駆けつけた。息子の性格を「控えめ」としながらも、「すごく心温かな子。(ユリさんの)誕生日には、せっけんでできた花束とくまのぬいぐるみをプレゼントしてくれた。とても優しい子です」とエピソードを交えて明かした。最後の夏に挑む息子に「私はずっと、彼の1番のファンです」とエール。農作は「今まで大きく育ててもらったので、甲子園に連れて行って恩返ししたい」と応えた。

 チームは2022年以来4年ぶりの夏の甲子園出場をかけ、「常笑」をスローガンに掲げて戦う。

農作は「とにかく初球から振っていくことを意識して。積極性でチームに流れをもっていきたい」。この夏、世代屈指の名手が、栃木に熱気の渦を巻き起こす。(渋谷 拓人)

 ◆農作 力(のうさく・ちから)2008年9月17日、東京都・江戸川区出身。17歳。小4から野球を始める。小、中は東京江戸川ボーイズに所属。国学院栃木では1年秋にベンチ入り。憧れの選手は巨人・坂本勇人。好きな料理は母・ユリさんの作る油淋鶏。50メートル走のタイムは6秒23。184センチ、74キロ。

右投右打。

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