5月30日(土)の放送では、株式会社萬坊 代表取締役社長の太田順子(おおた・じゅんこ)さんをゲストにお招きして、企業の成り立ち、日本初の海中レストランについて話を伺いました。
(左から)パーソナリティの小堺翔太、株式会社萬坊 代表取締役社長 太田順子さん、アシスタントの飯地紀美子(エフエム佐賀)
◆会社を守るために赤字事業撤退を決断
佐賀県の名物として知られる「いかしゅうまい」。その生みの親が、株式会社萬坊です。1977年の創業以来、佐賀の水産物の魅力を発信し続けてきた同社は、日本初の「海中レストラン」を開業したことでも知られています。地域に根ざした取り組みを通じて、佐賀の食文化を全国へ広げてきました。
独特のフォルムと愛らしさが特徴の「マンボウ」は、卵を多く産むことから、漁師たちのあいだで“子孫繁栄”を象徴する縁起のよい魚として親しまれてきました。太田さんは「まず、そのマンボウを屋号にしたことが始まりでした。お店が海の上にポカンと浮かんでいる形ですので、それをマンボウの姿になぞらえて、萬坊と名付けたと聞いています」と、その由来を説明します。マンボウは企業ロゴにも採用されています。
現在の事業の柱は、「海中レストラン萬坊」の運営と、「いかしゅうまい」を中心とした水産加工品の製造・販売です。「いかしゅうまい」は、いまや佐賀土産の定番として全国に広がり、百貨店やスーパーなどを通じて各地で販売されています。
しかしながら、ここまでの歩みは決して順風満帆ではなかったそうです。創業から49年の歴史のなかでは、会社が債務超過に陥るほど厳しい時期もあったといいます。その背景には、創業者である太田さんの父が挑戦した「魚の陸上養殖事業」がありました。
水産資源の未来に強い危機感を抱いていた創業者は、「これから先の魚資源を守らなければいけない」という思いから、新たな養殖技術に挑戦。しかし、当時は技術的な難易度も高く、事業は大きな赤字を抱えることになりました。
太田さんは、「誰かしら必ず水産資源の確保という問題には立ち向かわないといけない」と、創業者の思いに理解を示しながらも、「我が社単体で担うには荷が重すぎた」と振り返ります。さらに、「佐賀から新しい名物を作りたい」という父の夢を理解していたからこそ、養殖事業からの撤退には大きな葛藤があったと明かしました。
それでも最終的には、会社を守るために決断を下します。太田さんは、「海中レストラン萬坊」と「いかしゅうまい」という2つの柱があったこと、そして何より「従業員のみなさんが頑張ってくれている会社を潰すわけにはいかない」という思いから、赤字事業からの撤退を決意したと語りました。
◆10月より新たな船でリニューアルオープン
1983年に誕生した「海中レストラン萬坊」は、日本初の海中レストランとして、多くの観光客を惹きつけてきました。
当時、地方に人を呼び込むためには、これまでにない観光資源が必要でした。そこで生まれたのが、「海のなかで食事を楽しむ」という大胆な構想です。しかし、その実現までの道のりは簡単ではありませんでした。海中レストランは“建築物”と“船”の両方の性質を持つ特殊な施設だったため、当時は前例となる法制度もありませんでした。建築基準法と船舶安全法のあいだで調整を重ねながら、関係各所との協議を進めていったといいます。
太田さんは、「身内の親子喧嘩もすごかったです」と振り返ります。最終的には、創業者自らが当時の県知事に「呼子町の観光と水産の発展のために、何とか許可してほしい」と直談判したといいます。地域の未来を見据えた熱意が、多くの人を動かしていきました。
現在の「海中レストラン萬坊」は、海岸から約77メートルの桟橋でつながれた、海に浮かぶレストランとして営業しています。
そんな「海中レストラン萬坊」ですが、2026年6月から一時休業に入ります。老朽化した船体設備を刷新するため、新しい船へのリニューアル工事がおこなわれるためです。現在は長崎の造船所で新船の建造が進められており、10月頃の営業再開を予定しています。今回のリニューアルでは、内装や設備の更新に加え、バリアフリー化も進められます。太田さんは、「なるべく段差を減らして、いろんな方がくつろぎやすいお店にしたいです」と力を込めました。
<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太
番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/
番組公式X:@tonarinokaisha
番組公式Instagram:@tonarinokaisya
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