これが「道の駅 発祥の地」か…!

 今や日本全国1200か所以上を数える「道の駅」。地域の産物を使った飲食や買い物が楽しめるだけでなく、なかには遊園地や温泉、宿泊施設を備えたところもあるなど、道の駅そのものが旅の目的地となるレジャー施設となっています。

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 では、当初の道の駅とは、どのような施設だったのでしょうか――新潟県にある「道の駅 発祥の地」の碑が立つ場所に行ってみました。新潟市北区(旧豊栄市)の「道の駅豊栄」です。

 ただし、「道の駅 発祥の地」については異論があります。制度のうえでは、この「豊栄」を含む1993年4月22日に「道の駅」として登録された103か所全てが「第1号」であり、それ以前に社会実験の場となった鳥取、島根、山口の3施設も「発祥の地」や「登録第1号」を名乗っています。

 道の駅豊栄は国道7号「新新バイパス」の途上にあり、もともと1988年、一般道で初めてのパーキングエリア「豊栄PA」として開設。それが道の駅制度の発足に伴って、前出の1993年4月に県内第1号の道の駅として登録された経緯があります。

 道の駅がある新新バイパスは、約37kmに渡って新潟の市街地を貫く信号のない高規格バイパスの一部です。国道116号「新潟西バイパス」、国道8号と7号にまたがる「新潟バイパス」、国道7号「新新バイパス」で構成されており、全線4~6車線、最高速度60~80kmという高速道路顔負けの道路です。

 そのため、道の駅といえど、駐車場の作りなども「高速道路のPA」とよく似ています。

 上下線どちらからも入れる集約型の施設内には、計154台ぶんの駐車場に、トイレと食堂、売店などを備えた建屋と、ちょっとした「自然公園」があります。それぞれの入口には「軽 食 堂」「Coffeeスタンド」「売 店」といった文字が無骨なまでにデカデカと書かれています。おしゃれな道の駅も増えるなか、この味も素っ気もない感じは懐かしさすら覚えます。

高速PAから消えていったものが“核施設”

 うどん・そば・ラーメンが中心の軽食堂は、カウンター上のメニュー写真がかなり色褪せて、それが逆に「早くてうまい」王道の食堂の雰囲気を醸しています。

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道の駅豊栄の「道の駅発祥の地」碑(筆者撮影)

 もちろん別途、きれいなメニュー写真が掲示されていて、そこから「とんこつちゃんぽんラーメン」850円をチョイス。カウンターでは女性スタッフたちが手際よく調理と声掛けを行っていましたが、昨今の物価高を受けてメニューの価格は徐々に上がっているようです。

 ただ、国土交通省がこの道の駅についてメインに紹介しているのは、軽食堂でも売店でもありません。それが「情報ターミナル」コーナーです。大型の県内地図とともに、大型モニターで県内各所の国道のライブカメラ映像を発信しています。

 いまではこうした情報はネットで収集することができ、NEXCOのSA/PAなどでは、交通情報発信の一元化を図るとして、同様の情報ターミナルを休止する動きがあります。しかし、1980年代から90年代、しかも豪雪地域の新潟においては、なくてはならないものだったのでしょう。

 こうした「情報発信機能」は「休憩機能」「地域連携機能」とともに、国土交通省が道の駅の基本コンセプトとして掲げているものでもあります。「高速道路のような一般道」の道の駅で、高速道路SA・PAが失った何かを見た思いがしました。

【もはや懐かしさが…!】これが「道の駅発祥の地」です(地図/写真)

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