仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)の中国語版サイトは5日、「人工知能(AI)の大規模な活用がもともと脆弱(ぜいじゃく)だった中国の労働市場をさらに混乱させている」と述べ、海外メディアから「中国ではますます多くのポストがAIに奪われているが、政府の反応は消極的だ」との指摘があったことを報じた。
記事は、中国湖北省武漢市で今年3月に起きた自動運転タクシー「蘿蔔快跑(アポロゴー)」のトラブルに言及。
記事によると、アポロゴーの運行が始まって以来、男性の収入は40%減ったという。
記事は、男性が「自動運転タクシーは影響が大きすぎる」と語ったことを紹介するとともに、かつてない規模でAIの活用が進む中、「この技術を受け入れるべきか、それとも反発すべきか」という幅広い議論が中国で起きていると伝えた。
中国では現在、2019年の2倍となる3億2000万人が非固定的な仕事に就いており、労働人口に占める割合は44%という。
記事は、「自動運転タクシーの普及がタクシー運転手らの収入を脅かしている」とし、24年に武漢の運転手らは自動運転車の導入に抗議したと伝えた。ただ、関連の情報はすぐに審査を受けたため、抗議活動の規模を確定することは難しいという。
一方、記事は中国メディアの「工人日報」が最近発表した社説で「AI時代の中で労働者の権利が『新たな課題』に直面している」と警鐘を鳴らしたとして、「中国政府は懸念の一部を受け入れつつあるようだ」と評した。
昨年、中国製AIモデルのディープシークが成功を収めたことを受け、中国はAIの発展に積極的な姿勢を取っている。あるテクノロジーアナリストは「北京では正真正銘の『方向転換』が起きている」とみており、同氏によると「今年の新たな指導方針ではAIが雇用創出のテコとして果たす役割、人間中心のアプローチがより強調されている」という。
記事は、AIに仕事を奪われた従業員への賠償を認める判決が最近出されたことを紹介する一方、AIが雇用にもたらす影響を大勢の人が心配しているとし、映画業界で約20年働いてきたカメラマンの男性が現在、失業中であることを伝えた。
男性は「6年間奮闘してやっとカメラマンになれた。だが、一つのソフトウエアに取って代わられた」とSNSに投稿。
男性は「われわれはいつでもAIに取って代わられる可能性がある。われわれにできる唯一のことは、できるだけ早く適応し、AIがまだ埋められない空白を見つける努力をすることかもしれない。しかし、その空白はますます小さくなっている」と総括したという。(翻訳・編集/野谷)











