2026年8月19日、香港メディア・香港01は、中国の製造業が安価な最終消費財を輸出する「世界の工場」から、世界各国の工場へ製造設備や基幹部品を供給する「工場の工場」へと質的転換を遂げているとする評論記事を掲載した。

記事が掲載したのは、海南大学「一帯一路」研究院客員教授である劉暢(リウ・チャン)氏による評論。

劉氏は、今年1~6月における中国の機械・電子製品の輸出が輸出総額の63.5%を占め、集積回路(IC)や船舶、自動車などの設備・中間財輸出が急伸していることを紹介。従来の労働集約型モデルによる完成品輸出から、製造設備やコア部品、産業ソリューションを供給するB2B型構造へのシフトが進んでいると伝えた。

また、相手国の生産ラインに組み込まれることで他国製品への代替を困難にする強固な結びつき(ロックイン効果)が生じており、かつて技術提供側であったドイツに対しても中国が最大の機械設備供給国となる逆転現象が起きているとした。

さらに、中国の貿易総額に占める「一帯一路」参加国の割合が5割を超え、東南アジアや中南米、アフリカ向け貿易が2桁成長を記録していると紹介。新興国の工業化に必要な製造設備を中国が供給する共生モデルが確立されており、欧米の関税引き上げや地政学リスクを分散・緩和する構造が機能しているとの見方を示した。

劉氏は、こうした競争力を支える物理的基盤として、中国が国連分類の全工業部門を世界で唯一網羅していることに言及。特に新興分野で圧倒的なシェアを握っており、今年1~6月の世界の人型ロボット出荷量では中国勢が97%を占めたとした。また、強固なエネルギー基盤も底堅い優位性を生み出していると論じた。

このほか、中国が資金調達モデルにおいても政府補助金依存からハイテク企業向け株式市場「科創板」などを活用した資本市場主導型への移行が進んでいるとも分析。ロボットメーカーの宇樹科技(ユニットリー・ロボティクス)によるスピード上場や半導体業界での大規模M&Aをその象徴として挙げ、米国の技術封鎖や制裁も中国の自給自足を加速させ、産業の自立性を高める結果につながったと評している。

劉氏は、現在の中国製造業の優位性が研究開発投資や完全な産業網、電力インフラ、市場の多角化、制度の強じんさといった多層的な要素によって構築されたシステム的な能力であるとし、単一の関税措置や個別技術の封鎖によってその構造的優位性を揺るがすことは極めて困難な段階に達していると結論づけた。(編集・翻訳/川尻)

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