北京亦荘(北京経済技術開発区)で開催された2026世界ロボット大会の展示会場に足を踏み入れると、すぐに生活感あふれる光景に引き込まれた。展示ブースに並んでいたのは、もはや冷たい印象のロボットアームではなく、服を畳んだり、物を片付けたり、子どもと会話したりするロボットだった。
これらの展示品はいずれも明確なメッセージを発している。近い将来、ロボットは研究室を飛び出し、人々の日常生活に急速に普及していくということだ。
2026世界ロボット大会の「未来生活」展示エリアでは、星海図(北京)人工智能科技のR1シリーズロボットが来場者に服を畳む技術を披露していた。ロボットは、丸めて乱雑に置かれたTシャツやシャツをまず認識し、つかんで広げ、きれいに畳み、最後に所定の場所に戻す。一連の動作をよどみなく行い、かかった時間は1分にも満たなかった。筆者がわざとロボットが畳み終えたばかりの服に手を伸ばして乱すと、ロボットは1秒もたたないうちに再び整理し、服を畳み直した。
筆者がさらに驚いたのは、R1シリーズロボットの物をつかむ能力だ。展示台にはリンゴ、ボールペン、リモコン、ティッシュボックスなどが散らばっていた。筆者が何気なく「文房具を左側の引き出しに片付けて」と声をかけると、ロボットは経路を計画し、両腕を連携させて正確に作業を完了した。オフィスの場面では、書類の受け渡し、シュレッダー処理、物資の運搬などもでき、まさに「万能アシスタント」だ。
今年、R1シリーズロボットは北京経済技術開発区栄華街道のスマート健康・介護ロボット高齢者ケアステーションに導入された初日から、そこで暮らす高齢者の服やタオルの整理を行った。ステーション内は物の配置が雑然として変化も多いが、このロボットは安定した性能を発揮し、介護スタッフの日常的な細かな作業の負担を軽減している。その分、スタッフは高齢者の健康管理や心のケアにより多くの時間と労力を振り向けることができる。
展示会場の別の一角では、京東集団の展示ブース内に設けられた南京蔚藍智能科技の展示エリアが、親子連れで身動きが取れないほど混雑していた。白い四足歩行ロボット犬が人々の間を自律的に巡回し、子どもに出会うと自ら立ち止まり、首をかしげて「見つめる」様子に、子どもたちは大喜びして笑い声を上げていた。
同社のブランドマネージャーの知客氏は、「私たちはこのロボット犬を単なる機器ではなく、『家で暮らす』新しい家族の一員と位置付けている」と述べ、「今年5月に発表され、下半期の発売が予定されている四足歩行の伴侶ロボット犬『Baby Alpha A3』は、自社開発のマルチモーダル・エンボディドAIブレインと『WEILAN Hybrid X 1.0』演算能力アーキテクチャを搭載し、その総合的な演算能力は前世代製品の1000倍に向上している。従来のリモコン式ロボット犬とは異なり、Baby Alpha A3はユーザーの指示を待つ必要がない。自ら家庭内の環境を巡回し、家族を認識することができる。また、いつ静かにしているべきか、いつ近寄ってあいさつするべきかを自ら判断できる」と説明した。
このロボット犬を購入した会場の来場者、石さんは「5歳の息子は毎晩夕方になるとロボット犬を連れて階下へ散歩に行く。家に帰ると、ロボット犬が一緒に絵本を聞いたり、会話の練習をしたりしてくれる。子どもの突拍子もない質問にも答えてくれる」と話した。
別の展示エリアでは、病室を模した空間を行き来する人型ロボットが筆者の目を引いた。身長は約145センチ、ずんぐりした体型ながら機敏に動き、狭い通路でも自在に前進・後退できる。
軟通動力情報技術集団の副総裁兼人工知能工学研究院院長、雒冬梅(ルオ・ドンメイ)氏は、「これは当社のA2インタラクティブ・インテリジェント版健康・介護向け人型ロボットだ。関連技術は、入院時の評価から退院後のフォローアップまで、健康・介護サービスの全サイクルをカバーする一連の仕組みに対応している。このロボットは23の自由度を持ち、当社が独自開発した「Artisan Tong OS星雲」大脳・小脳協調オペレーティングシステム(OS)を搭載している。大脳がタスクの計画や感情認識を担当し、小脳が運動の実行を制御する。そのマルチモーダルなインタラクションの応答遅延は200ミリ秒未満で、ユーザーはほとんど遅延を感じない」と説明した。
その説明の最中、ロボットが「病室巡回」という指令を受けると、自律的に模擬病室へ向かった。筆者が後ろからついていくと、ロボットは模擬ベッドの前で停止し、患者に服薬時間を知らせた。そして、模擬患者が転倒している状態を認識すると、直ちにナースステーションへ警報を送った。一連の作業には人間による介入はなかった。
別の感情ケアのデモエリアでは、ロボットが模擬患者にリハビリテーションに関する知識を説明していた。
このロボットはスマート教育、病室巡回・モニタリング、薬剤配送、感情ケア、安全巡回、活動支援、物品・食事の配達という七つの主要機能を備えている。将来的には、エンドエフェクターを交換することで、リハビリテーション・理学療法や生活介助の機能も備える可能性がある。
雒氏は「このロボットは7日間、24時間、途切れることなくサービスを提供できる。人間に取って代わるためのものではない。医療・介護スタッフを反復的で機械的な作業から解放し、専門的な診療や人間的なケアに力を注げるようにするためのものだ。モデルの継続的な改良に伴い、将来ロボットがさらに複雑で精密な作業を遂行できるようになることを期待している」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)











