中国の文化系セルフメディア「視覚志」は27日、中国で「ホルムアルデヒド白菜」が物議を醸す中、都市部で自ら野菜を育てる人が増えていると報じた。

最近、中国のブロガーが河北省張家口市康保県の農作物の産地で白菜を出荷する際に、発がん性が指摘されているホルムアルデヒド溶液に浸す違法行為が行われていると告発。

地元当局はこうした違法行為があったことは事実と認めており、公安当局が事件について捜査を進めているほか、さらに上級の中国国務院食品安全委員会弁公室、農業農村部、市場監督管理総局なども調査に介入している。

中国では2012年にも、山東省青州市で業者が白菜を長距離輸送する前にホルムアルデヒド溶液を散布して鮮度を保っていたことが発覚し物議を醸した。その後も食の安全問題はたびたび繰り返されている。こうした中、中国では自ら野菜を育てる人が増えてきている。自分で種をまき、土に植え、水をやり、成長を見守って収穫した野菜なら安心できるという思いからだ。特に都市部では、郊外の「シェア菜園」を借りる人も多いという。

「シェア菜園」の利用方法には、自分ですべて栽培する方式、菜園の管理人に水やりや除草を任せて週末だけ作業する半管理方式、栽培をすべて任せて収穫物を自宅に送ってもらう方式などがある。20~30平方メートルほどの区画なら年間賃料は1000~3000元(約2万3000~6万9000円)程度だが、菜園の整備や農具、資材などに費用をかける人もいる。鶏小屋を設置して、野菜と家畜を組み合わせた小さな農場にする人もいるそうだ。

一方、庭や郊外のシェア菜園を持たない人にはベランダ菜園が人気だ。ネギやニンニクなどの根を水につけるところから始め、プラスチック容器や発泡スチロール箱、古タイヤなどを植木鉢代わりにして野菜を育てる。生育の早いニラなどの野菜なら年間に何度も収穫できる。

ある人は「ベランダに自分の野菜ができてから、鍋料理をするときに葉物野菜を買わなくなった」といい、「節約以上に、自分で食べるものをコントロールできることがうれしい」と語る。

このほか、植物を話し相手のように育てることで都市生活の孤独や不安を癒やす人や、農作業をしている間はスマートフォンから離れ、目や頭を休めることができるという「デジタルデトックス」に魅力を感じる人もいるという。中国のSNS・小紅書(RED)では「ベランダ菜園」に関する投稿が6万件を超え、微博の関連ハッシュタグの閲覧数も7420万回に達している。

こうした人気を背景に、市場も拡大している。ECサイト・淘宝(タオバオ)のデータでは2022年第1四半期に野菜の種の購入者数が3年連続で前年比100%超増加したほか、つる固定器具の売上高が89%増、害虫捕獲シートが52.7%増、スマート野菜栽培機が200%超増加した。四川省成都市のシェア菜園は400万元(約9500万円)を投じて改修し、現在では全国に5000世帯以上の契約者を有しているという。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ