◆中学生の投稿、大家と一緒に
文芸誌「群像」に連載中の「現代短歌ノート」が書籍に。「高齢者を詠った歌」や「落ちているものの歌」など、テーマ設定からして面白い。
一例を。「身も蓋もない歌」として、「ハブられたイケてるやつがワンランク下の僕らと弁当食べる」という投稿歌を紹介。仲間外れにされて仕方なく「ワンランク下」の「僕ら」と弁当を食べる淋しさよ……。弁当くらい一人で食えよと言ってやりたいが、そうできない「イケてるやつ」はこのあとどうするのか。
ちなみに、この歌と並ぶのは、斎藤茂吉の作品「街上に轢(ひ)かれし猫はぼろ切か何かのごとく平たくなりぬ」である。
【書き手】
陣野 俊史
1961年長崎生まれ。文芸評論家、フランス文学者。ロック、ラップなどの音楽・文化論、現代日本文学をめぐる批評活動を行う。最新作に『戦争へ、文学へ 「その後」の戦争小説論』(集英社)。その他の著書に『フランス暴動 - 移民法とラップ・フランセ』『じゃがたら』(共に河出書房新社)、『フットボール・エクスプロージョン』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)など。
【初出メディア】
日本経済新聞 2015年7月2日
【書誌情報】
ぼくの短歌ノート著者:穂村 弘
出版社:講談社
装丁:文庫(272ページ)
発売日:2018-06-14
ISBN-10:4065118336
ISBN-13:978-4065118337