あと、せっかくMLを作ったけど、今ひとつ投稿が熱心でなかったり、とか……。
実際、MLだとつい、しゃちほこばってしまって、うまくメールが書けない人もいるんじゃないでしょうか。とりあえず「いつもお世話になっております」から書き始めて、「よろしくお願い申し上げます」で文末を締めたりとか。僕だけかもしれませんが。
そんな「MLは便利だけど、もうちょっと手軽に使いたい」という人にオススメなのが、先日レビューした「Yammer」。twitterの気軽さでビジネスに使えます。ただし、全員が同じメールドメインでなければ、使いづらいのがネックなんですよね。
というわけで、フリーランス同士だったり、会社をまたいだ打ち合わせ、はたまたサークル間での情報共有などに、ぜひ使ってみて欲しいのが、facebookのグループページです。エキレビライターの米光一成や、とみさわ昭仁も愛用していて、驚かされました。
グループページは、特定のメンバーだけで使える専用の掲示板みたいなもの。プロジェクトごとにグループページを作れば、ML感覚で使えます。トピックごとに簡易スレッド形式で表示され、新規の書き込みがあると、スレッド全体が先頭に移動するのが便利ですね。
使い方は簡単で、facebookにログインしたら、メインメニューの「グループを作成」ボタンをクリックします。次にグループ名を記入して、グループに招待したいメンバーの名前を入力し、アイコンから選択します。最後にプライバシーを「公開」「非公開」「秘密」の三段階で選んで「作成」ボタンをクリックすれば完成です。専用のページが作成され、以後はメインメニューから直接アクセスできるようになります。
注意したいのは、グループに招待できるメンバーは、事前に友達登録をすませておく必要があることです。facebookの未経験者を招待するには、まずfacebookでアカウントを作成してもらい、友達登録を行うところから始めましょう
またグループページの作成者以外のメンバーが、他の友達を招待しようと思ったら、作成者から「管理人」設定をしてもらわなければなりません。ま、このへんは使いながら、おいおい慣れていけばいいと思います。
でもってMLとの最大の違いは、ちょっとしたことでも、躊躇なく書き込めちゃう敷居の低さじゃないでしょうか。発言には必ず顔アイコンが表示されるので、誰の書き込みかも一目瞭然です。僕もMLでは閑古鳥がないていたのが、グループページにしたとたんに、書き込みが活性化する、なんて経験が何度もありました。
投稿はテキストだけでなく、他のfacebookの書き込みと同じく、リンクや写真、動画の投稿も可能です。
僕がグループページの威力を再確認したのは、高校時代の同窓会MLを非公開グループページに移行した時のこと。それまで特定のメンバーしか投稿がなかったのが、一気に活性化しました。facebookが基本実名なのも、風通しを良くする上で効果的でしたね。
また、とみさわ昭仁はそれまで某SNSの公開範囲限定日記で、仲間うちの情報共有をしていたのが、次第にグループページに移行したそうです。新規投稿のお知らせアイコンがわかりやすくて、見落としが減ったのだとか。
んでもって米光一成は、一部の原稿校正にまでグループページを活用中です。原稿は「ドキュメント」機能で貼り付け、ゲラは画像ファイル化して、アルバムに共有。ちょっとした修正はコメントで書き込み、大規模な修正は朱入れ画像を共有するんだとか。
個人的な印象ですが、プライバシー設定でグループページの性格が変わりそうです。「公開」ページは企業や団体の宣伝・広報的な使われ方が多いかも。「秘密」ページは存在自体が隠匿されるので、特定メンバーや、社内外での情報共有に最適。「非公開」ページはその中間といったところ。うまく使い分けてくださいね。
一方で、ちょっと使いにくいなと思うのは、グループが増えるとメニューがゴチャゴチャして見づらくなること。メニューを階層化できたり、並び順を任意に変えられるといいんですけどね。
またOfficeファイルやPDFファイルも、Docsというfacebookアプリを使うと、グループページで共有可能になります。これ、なんとマイクロソフト純正のアプリなんです。ただ、本体側の機能としてサポートしてもらえると、さらに使い勝手が増すと思うんだけどなあ。
他にグループページのアキレス腱ともいえるのが、データがfacebookサーバに蓄積されて、手元に残らないこと。ウォールへの書き込みや写真、メッセージなどはバックアップが取れるんですが、グループページの内容はできないようです(8月8日現在)。サーバがクラッシュしたり、facebookがいきなり倒産……なんて可能性が未来永劫ゼロ、なんてことはないわけで、リスク管理にも気を配ってくださいね。
ともあれ、ツールは生産性に大きな影響を与えます。つまり弘法は筆を選ぶんです。ちょろっと使ってみると、おもしろいかもしれませんよ。
(小野憲史)