以前にコネタで紹介した、仕事の締め切りに追われるキツネを描いたtamaさんのイラスト集『キツネまわりみち~グータラしててもやる気はあるから~』。この作品が日々忙しく仕事する人たちの共感を呼んでいて、ステーショナリーなどを中心にしたグッズも人気だ。
その待望の続編となる『キツネけものみち~途方にくれてもなんとかなるから~』が、3月30日に発売されることに。そこで、まずその数日前に行われた先行発売サイン会にお邪魔して、tamaさんが描くキツネの人気の秘密を探ってみた。
会場の明正堂アトレ上野店では、前作『キツネまわりみち~』のタイミングからtamaさんの作品をお店をあげて応援している。
スタッフ・柳林さん「私が元々キツネが好きだったので、友人が『キツネが主人公のこういう作品があるよ』と教えてくれたんです。その頃ちょうどtamaさんが個展をやられていたので友人と一緒に観に行って、興味を持ったのが最初ですね」
商品仕入統括・増山さん「彼女(柳林さん)に『めちゃめちゃかわいいので!』と推されて自分でも読んでみたら面白かったので、店での展開を決めました。前作の『キツネまわりみち~』は、うちの店舗だけでも300冊以上売れているんです。書店でこういう風にグッズも一緒に展開するのは珍しいことなんですが、出版社のブックマン社さんにもかなり協力していただいて、今はアイテムも充実していますね」
そんな“キツネ愛ネットワーク”を発端にしたこの商品展開。ショーウインドー前では外国人観光客も「So Cute!」などと言いながら写真を撮ったりと、興味津々な様子だった。tamaさんのサイン会に並んだファンの方々は、若い女性が中心だが男性の姿も目立ち、幅広い層からの愛されぶりが伝わるかのようだ。
tamaさんのキャラクターのiPhoneケースやトートバッグなどを持ったファンの女性は「キャラクターのニクめない感じのところが好きなんです。キツネなんだけどすごく人間味があって、見ているとなんだか癒されます」と語っていた。
tamaさんはTwitterをきっかけにファンを増やしたが、今回の『キツネけものみち~』の収録作品の約8割はTwitterでは公開されていない描きおろしということなので興味深い。
tamaさん「いただくご感想で多いのは“共感した”というもので、私が想像していたよりもずっと、みなさん締め切りや時間に追われていることがわかりました。内容は大人向けだろうなとしか思っていなかったのですが、サイン会等で『ウチの子供が好きで~』というお話を何度かお聞きしまして、意外でした。子供さんはよく意味がわかってないところもあると思うのですが、いずれわかる時がくるのかなと……」
今回の「キツネけものみち」は、忙しい絵描きという設定のキツネのほかにもクマやカワウソ、タヌキといったキャラクターが増え、13ページにわたるストーリーもの『シラユキツネレラ』が入ったりと、内容的にも進化している。
tamaさん「前作のテーマは『キツネの日常』だったのですが、今作は『日常に疲れて里帰り(現実逃避)』ですね。キツネだけじゃなくいろんな動物がいる世界なんだ、という紹介でもあります。構成としては“1枚絵”が減ったぶん、読むところが増えました。見た目としては、話の区切りがわかりやすいように各話にテーマカラーを決めて描いています」
そして今作には包容力のあるクマなど新しい仲間が増えているが、今後キツネ絵本に新たに登場させるとしたらどんないきものが?
tamaさん「(現在はそうでもないですが)人の生活に近いところにいる動物をメインにしているので、そういう動物でしょうか。日本にいるorいた動物がいいなと思います。昨年12月に京都水族館に行ってから、オオサンショウウオが気になっています」
前作に引き続き、忙しい日々の中の“あるある”が秀逸なのだが、筆者が特に「これは確かに!」と思ったのが写真のページ。tamaさんもお気に入りのページとしてこちらを挙げている。
tamaさん「頭を洗ったかどうか忘れるネタです。
今回のようなサイン会のほか、tamaさんはキツネ好きクリエイターの作品が展示販売される「キツネ展」や、ショップでのライブペインティングなどのイベントにも登場することがある。本人が見た、tamaさんの作品に共感する人々とは……?
tamaさん「男女比でいくと、女性が多いですね。会社員でも作家さんでも、学生さんでも、仕事やレポートなど、何かしら締め切りと時間に追われている方が大半です。またキツネという動物が昔から好きだという方も多いです。キツネグッズが増えて嬉しいこと、蔵王キツネ村に行きたいor行ってきたという話をよくされます。みなさんキツネ愛に溢れていますね」
そんなtamaさんに、コネタ読者に向けて描き下ろしてもらったのがこちら。
あなたもかわいくて、ちょっとシュールで、共感しかないネタが満載の『キツネけものみち』で癒やされてみては?
(古知屋ジュン)
●POPBOX
会場:渋谷ロフト1F(東京都渋谷区宇田川町18-2)
開催期間:4月19日〜5月7日(5月5日にはライブペイントあり)
時間:10時~21時
料金:無料
●「キツネ展」
会場:ハイカラ雑貨店ナツメヒロ(神奈川県相模原市南区東林間5-16-20)
開催期間:5月7日~29日(予定、火・水・祝は休み)
時間:12時~19時
料金:無料
グッズなども人気のtamaさんの新作イラスト集『キツネけものみち~途方にくれてもなんとかなるから~』(ブックマン社刊、1100円税別)。
その待望の続編となる『キツネけものみち~途方にくれてもなんとかなるから~』が、3月30日に発売されることに。そこで、まずその数日前に行われた先行発売サイン会にお邪魔して、tamaさんが描くキツネの人気の秘密を探ってみた。
明正堂アトレ上野店のショーウインドーでは現在、『キツネけものみち~』祭り(?)が開催中。ふわふわのキツネのしっぽは、作家tamaさんの自作!
会場の明正堂アトレ上野店では、前作『キツネまわりみち~』のタイミングからtamaさんの作品をお店をあげて応援している。
『キツネけものみち~』発売を記念した特設コーナー。イラスト集のほか、IPhoneケースやブックカバー、クリアファイルなどのグッズも人気だそう。愛を感じるPOPにも注目。
スタッフ・柳林さん「私が元々キツネが好きだったので、友人が『キツネが主人公のこういう作品があるよ』と教えてくれたんです。その頃ちょうどtamaさんが個展をやられていたので友人と一緒に観に行って、興味を持ったのが最初ですね」
商品仕入統括・増山さん「彼女(柳林さん)に『めちゃめちゃかわいいので!』と推されて自分でも読んでみたら面白かったので、店での展開を決めました。前作の『キツネまわりみち~』は、うちの店舗だけでも300冊以上売れているんです。書店でこういう風にグッズも一緒に展開するのは珍しいことなんですが、出版社のブックマン社さんにもかなり協力していただいて、今はアイテムも充実していますね」
そんな“キツネ愛ネットワーク”を発端にしたこの商品展開。ショーウインドー前では外国人観光客も「So Cute!」などと言いながら写真を撮ったりと、興味津々な様子だった。tamaさんのサイン会に並んだファンの方々は、若い女性が中心だが男性の姿も目立ち、幅広い層からの愛されぶりが伝わるかのようだ。
tamaさんのキャラクターのiPhoneケースやトートバッグなどを持ったファンの女性は「キャラクターのニクめない感じのところが好きなんです。キツネなんだけどすごく人間味があって、見ているとなんだか癒されます」と語っていた。
サイン会ではスタッフの方々も、手作りキツネ帽子やキツネ名札で応援。
tamaさんはTwitterをきっかけにファンを増やしたが、今回の『キツネけものみち~』の収録作品の約8割はTwitterでは公開されていない描きおろしということなので興味深い。
tamaさん本人にも1作目の『キツネまわりみち』を出されたときの反響から振り返ってもらった。
ビビッドな色使いで描かれたページはインパクト絶大。
締切に追われるキツネに子供も共感?
tamaさん「いただくご感想で多いのは“共感した”というもので、私が想像していたよりもずっと、みなさん締め切りや時間に追われていることがわかりました。内容は大人向けだろうなとしか思っていなかったのですが、サイン会等で『ウチの子供が好きで~』というお話を何度かお聞きしまして、意外でした。子供さんはよく意味がわかってないところもあると思うのですが、いずれわかる時がくるのかなと……」
主人公のキツネのトホホネタもいろいろ。
今回の「キツネけものみち」は、忙しい絵描きという設定のキツネのほかにもクマやカワウソ、タヌキといったキャラクターが増え、13ページにわたるストーリーもの『シラユキツネレラ』が入ったりと、内容的にも進化している。
かわいい絵柄の中にシュールなエッセンスが凝縮されたストーリー作品『シラユキツネレラ』。
tamaさん「前作のテーマは『キツネの日常』だったのですが、今作は『日常に疲れて里帰り(現実逃避)』ですね。キツネだけじゃなくいろんな動物がいる世界なんだ、という紹介でもあります。構成としては“1枚絵”が減ったぶん、読むところが増えました。見た目としては、話の区切りがわかりやすいように各話にテーマカラーを決めて描いています」
そして今作には包容力のあるクマなど新しい仲間が増えているが、今後キツネ絵本に新たに登場させるとしたらどんないきものが?
愛らしいキツネ以外のキャラクターたちとの会話にも味わいが。
tamaさん「(現在はそうでもないですが)人の生活に近いところにいる動物をメインにしているので、そういう動物でしょうか。日本にいるorいた動物がいいなと思います。昨年12月に京都水族館に行ってから、オオサンショウウオが気になっています」
前作に引き続き、忙しい日々の中の“あるある”が秀逸なのだが、筆者が特に「これは確かに!」と思ったのが写真のページ。tamaさんもお気に入りのページとしてこちらを挙げている。
tamaさん「頭を洗ったかどうか忘れるネタです。
ボサボサな感じが可愛く描けたなと思っているのと、これを描き終えた日にまさにこうなりました(笑)」
今回のようなサイン会のほか、tamaさんはキツネ好きクリエイターの作品が展示販売される「キツネ展」や、ショップでのライブペインティングなどのイベントにも登場することがある。本人が見た、tamaさんの作品に共感する人々とは……?
tamaさん「男女比でいくと、女性が多いですね。会社員でも作家さんでも、学生さんでも、仕事やレポートなど、何かしら締め切りと時間に追われている方が大半です。またキツネという動物が昔から好きだという方も多いです。キツネグッズが増えて嬉しいこと、蔵王キツネ村に行きたいor行ってきたという話をよくされます。みなさんキツネ愛に溢れていますね」
そんなtamaさんに、コネタ読者に向けて描き下ろしてもらったのがこちら。
あなたもかわいくて、ちょっとシュールで、共感しかないネタが満載の『キツネけものみち』で癒やされてみては?
(古知屋ジュン)
●POPBOX
会場:渋谷ロフト1F(東京都渋谷区宇田川町18-2)
開催期間:4月19日〜5月7日(5月5日にはライブペイントあり)
時間:10時~21時
料金:無料
●「キツネ展」
会場:ハイカラ雑貨店ナツメヒロ(神奈川県相模原市南区東林間5-16-20)
開催期間:5月7日~29日(予定、火・水・祝は休み)
時間:12時~19時
料金:無料
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