◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
第3週「なつよ、女優になれ」19話(4月22日・月 放送 演出・田中正)視聴記録
一番になれ
勝農演劇部に入部したなつ。理由は泰樹と農協の対立に関して演劇を通して考えるためだが、何も知らない泰樹はやるからには一番になれ、主役になれと励ます。こういう性格だから農協とうまくいかないのであろう。
農協は全員平等にならしていく考え方で、泰樹はやるからには一番になりたいという考え方だかから噛み合わない。
演劇エピソードだからか「(牛乳を)これまでどおり独自に売るべきか、それとも農協がまとめて売るべきか、それが問題でした」(ナレーション・内村光良)と、「ハムレット」の「生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ(to be or not to be that is a question)」的な言い回しになっていた。
泰樹はなつに主役もやらせたいうえ牧場も継がせたいと思っていると照男は感じていた。なんでそんなになつにばかり肩入れするのか…といえば、自分が苦労したから苦労して頑張っている者に肩入れしてしまうのだろうと容易に想像できる。孫がかわいくないわけではないがどうにも歯ごたえがないのであろう。でも照男、感じがいいので応援したくなる。期待をかけてあげてほしい。
番長現る
昭和の学園ものにありそうなバンカラな番長・門倉努(板橋駿谷)が登場。女が演劇をやるなんてなめられるとすごむ。日本の演劇史では出雲阿国という女性が歌舞伎の元とされるが、やがて女性は舞台に上がれなくなり、歌舞伎はいまだに男だけのものだ。歌舞伎と同時代、それこそ「ハムレット」などのシェイクスピアが活躍したイギリスでも男性だけで演劇をやっていた。明治になると女性が参加する演劇も誕生し、川上音二郎の妻・貞奴や、松井須磨子が活躍。
そんな番長に物怖せず歯向かうなつ。たのもしい。また、演劇部で早口言葉の練習をするときのいい意味で負けん気の強そうな様子も。足を前後に開いて言葉を発しているところも芸が細かい。
板橋駿谷は現在34歳。高校3年生(公式サイトによると一年留年している設定)役をやるとは……と思うが、三十代で高校生役をやる俳優も少なくはないし、いささか老けた高校生として面白く見ることができた。
あと、山田裕貴がちょいちょいいい表情をしているところが見逃せない。さすが、ワタナベエンターテインメントが誇る若手男性育成機関ともいえるD-BOYS所属である。ここは朝ドラと相性がよく、「ごちそうさん」の和田正人、「あさが来た」「わろてんか」の瀬戸康史、「半分、青い。」の志尊淳など、主人公の相手役ではないながらいい感じで盛り上げる役として寄与している。短い出番でも必ずなにかを残そうとする気合が画面を活性化させるのだ。
白蛇伝説
倉田先生が書いた劇のタイトルは「白蛇伝説」。アニメ好きな視聴者は、後になつがアニメをやることから、古典的名作アニメ「白蛇伝」(58年 東映動画)と関係あるのだろうか? と想像するだろう。柄本佑は朝ドラ「あさが来た」に出たとき、別名・「白蛇はん」と呼ばれる役だった。まさかこの名前がキャスティングの決め手であったのだろうか。ちなみに、柄本佑はお寿司で言ったら白身か貝って感じがする。
第4週「なつよ、女優になれ」(4月22日・月〜 演出・田中正)あらすじ
泰樹と剛男の仲違いがきっかけで、演劇を始めたなつ。いざ入部すると演劇部の練習はとても厳しく、酪農との両立も難しくなっていく。さらに、顧問の倉田先生は、物語の重要な役をなつに与える。慣れないセリフに苦心するなつに、倉田は何度も何度もダメ出しを続ける。ある日、舞台美術を手伝いに来た天陽(吉沢亮)は、部室で落ち込んでいるなつを目にする。なつを追い詰める倉田に天陽が食ってかかると、倉田は思わぬことを打ち明ける。
第21回(4月24日・水 放送)あらすじ
十勝農業高校演劇部の芝居の稽古が始まった。その初日、なつ(広瀬すず)と雪次郎(山田裕貴)は、天陽(吉沢亮)を学校に招き、演劇部顧問の倉田(柄本佑)に紹介する。


登場人物とキャスト 登場順
奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。勉強が好き。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院にいる。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。
2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。
4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。
5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。絵が上手。馬が好き。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。
8回
山田陽平 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。
9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。
10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。
13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。
村松 近江谷太朗…十勝農業高校の先生。
倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。
14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。
村松…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。
19回
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。
高木勇二 重岡漠
石川和男 長友郁真
橋上孝三 山下真人
脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美 舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション
制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)