『新・日本男児と中居』で中居正広がダンス論に熱が入った背景は?
令和に新しい常識で生きる男達「新・日本男児」VS 一流ゲストたちという価値観のまるで違う両者のトークを中居が仕切るトークバラエティ『新・日本男児と中居』。画像は番組サイトより

10月16日放送『新・日本男児と中居』(日本テレビ系)で中居正広が語ったダンス論が話題を集めた。この日のテーマは「まだJ-POPアイドルダンスの深みに気づいていないんですか?」。
ゲストにJ-POPアイドルダンス分析男児として、2人のYouTuberが登場した。

ダンス分析男児を凌駕する中居のダンス論

ゲストとして登場したのが、動画クリエイターの銀三郎、普段は会社員のだいちゃん。分析を得意とする2人の話を聞きつつも、要所要所で鋭い分析を挟んだ中居。歌にダンスとステージに立ってきただけではなく、ステージ演出、楽曲も手掛けてきたのだ。負けるわけがない。

中でも、興味深かったのはジャニーズダンス分析。2人が注目している10人を選出した。ここから視線が少し鋭くなった中居。嵐の大野智、V6森田剛の分析が続いたところで、中居は、「僕の上、3人誰かなって言ったら、もう突出してんのは少年隊の錦織(一清)くん。錦織くんを超えた人は、まあ結局現れることなく、見せ方と技術的なものも」。

錦織のダンスの上手さは、同グループの東山紀之の著書『カワサキ・キッド』(朝日文庫)でも綴られていたほど、身内からも定評がある。

続けて、「森田(剛)はもちろんそうだね、色っぽさもあるけども。上手い下手で言うと、やっぱ坂本(昌行)くんが上手い。
あと、みなさん見たことないかもしれないですけど、国分太一上手いです」。TOKIOの国分といえば、音楽特番のジャニーズメドレーで、誰よりもはっちゃける姿が印象的なこともあり、彼の名前が挙がったのは意外だった。

後呂有紗アナウンサーから「ちなみに、中居さんはライブで踊る時に意識していたことはありますか?」と聞かれると、「(フリを)作る時ですね。だから、僕らなんかはいちばん最初のところ、やっぱり1,500とか2,000ぐらいのところだから。細かい踊りでもお客さん見えますから。2,000ぐらいのキャパだと。それがアリーナクラスになると、もう細かいことはできないな。こんなところでガチャガチャやってても……どんどん振り付けも大きくなっていく」。

実際に床を指でなぞってみせ、いくらキャッチーなフリであっても東京ドームではやらないという。会場が大きくなるにつれて、フリも大きくなることについて「寂しいね」とぽつり。

また、会場の規模によって緊張感も違ってくるという。「小さい会場の方がすごい疲れます。
ものすごい疲れる。全部フルでやるから」「今のジャニーズは大きいところでやるタレントが多いから、演出面はすごい演出だなってありますけど。振り付けがちょっとやっぱり、疎かになんないように気を付けなきゃいけないかもしんないですね」。

年齢と共にカウントの取り方、身体の可動域が狭くなっていくことを語っていた。普段よりもさらにギアをあげて話していた。

ダンスなくして語れぬ中居の魅力

以前、中居の事務所引退会見の際に、KAT-TUNの中丸雄一は『シューイチ』(日テレ系)でこんなコメントをしていた。「中居くん、『歌、ダンスあんまりです』みたいなこと仰いますけど、めちゃめちゃダンス上手いですからね!」。

その言葉どおり、中居の魅力はダンスなくしては語れない。中でも、マイケル・ジャクソンが亡くなった翌年、2010年に行なったSMAPライブツアー『We are SMAP!』。中居のソロステージでは、「Memory ~June~」、そして、マイケルへの哀悼の意を込めたマイケルの楽曲でダンスを披露した。権利の関係上、ライブDVDには収録されておらず、はじまりと終わりのわずか数十秒がまとめられたのみ。のちに、ファンの要望に応えて、中居の番組で放送された。

ライブDVDでは3人の子どもに扮した中居が、ひと笑いふた笑いを誘う映像から一転。
照明が落ち、重たい扉がギィーと音を立てて開く音に続いて、大きな鐘の音が4回鳴り響いた。ガゴンっと音がすると、ステージに一人、中居の姿。

黒いハットを深くかぶり、上下ブラックのスーツ、右手にはラインストーンをあしらったデコラティブな白いグローブ。暗闇で中居を照らすブルーの照明に、インナーの白シャツとグローブ、ハットから覗く白いバンダナが反射。右腕にはマイケルに倣ったであろう、スタッズで作った腕章が光っていた。

このスタイルでダンスを披露――。数十名のダンサーを交えてのステージ。首の細かな動きに手の振り、つま先、指先まで神経を尖らせる丁寧かつキビキビとしたキレのあるダンスを繰り広げた。上体をそのままに脚だけを滑らかに動かしたり、マイケルの「Smooth Criminal」の象徴的なシーン、斜め立ちも披露したりした。

ちなみに、マイケル・ジャクソンは2006年5月に『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)にサプライズ登場しているのだからすごい。SMAPがパフォーマンス収録をしている途中で、マイケルが静かにスタジオの上から姿を表した。口をぽかんとあけたまま言葉が出ないSMAP。
5人の元へ近づいたマイケルは全員と握手を交わした。

「マイケルジャクソン? マイケルジャクソン?」とストレートな日本語で聞いてみる中居。椅子に腰かけることを促して、隣に座った中居は「司会ができない。回せない」。あまりの衝撃に司会業ができなかったほどだ。

中居=音痴キャラ、などアイドルらしからぬ印象を持つ人も多いことだろう。しかし、親友の出川哲朗が中居の歌唱力を暴露したこと、そもそもSMAPの楽曲では、中居の歌い出しから始まる曲も少なくない。

もっと遡れば、1991年の「明星」(11月号/集英社)では、中居の“能ある鷹は爪を隠す作戦”を紹介。当時、運動神経ゼロを自称していた中居。カナヅチだと言って浮き輪で泳いだこと、『桜っ子クラブ』(テレビ朝日系)で行われた水泳大会のアンカーとして運動神経抜群の木村拓哉と競り合っていたことが記されていた。

実は…というギャップ、能ある鷹は爪を隠す作戦。そこに気づいてしまったら最後だ。
「照明が落ち、重たい扉がギィー」――そんな日が来ることを待ち望んでいる。
(柚月裕実)

番組情報

日本テレビ系
『新・日本男児と中居』
毎週土曜 午前0時30分(金曜深夜)
MC:中居正広
進行:後呂有紗(日テレアナウンサー)


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