中居正広らしさ詰まった『新・日本男児と中居』最終回<柚月裕実のWeekly“J”>
イラスト/おうか

柚月裕実の「Weekly“J”」#21<3月20日〜3月27日>

中居正広

アイドルファン歴25年超の筆者が一週間の出来事からトピックを紹介するこのコーナー。3月20日からの一週間より、印象的なトピックスをご紹介します。

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とうとうこの日が来てしまった……。

中居正広がMCを務める『新・日本男児と中居』(日本テレビ系)が3月26日の放送で最終回を迎えた。2019年5月9日の初回放送から約2年。それはそれは個性的な新・日本男児が登場した。

一流企業に勤めながら芸人として活動する男児、ホストのローランドを崇拝するローランダー、スーツを愛するがゆえ8年間365日スーツを着用する男児、そのほかにも寿司、コーラ、銭湯、食パン、朝カフェ、オーガニック、洗濯……共感はされにくいかもしれないけれど、誰かを崇拝したり、自分の趣味を貫いたり、何かを偏愛したりする一般男性が続々と登場した。

「俺の全盛期を知らないべ!」時には中居からこんな言葉が聞こえてきたことも。新・信者男児として、菅田将暉を崇拝するスダラー、米津玄師を崇拝する米津ラー、そしてジャニーズを尊敬する、新・ジャニラーと、憧れのアーティストを崇拝するがゆえ、容姿にはじまり生き方まで真似る男児が登場した。

「いつかこういう回がくると思ってました」と中居。番組の構成上か、なぜか旧・ジャニーズと紹介された中居は、「旧・ジャニーズっておかしいからな!」と後呂アナにツッコミ。

ジャニラーの3人の男性が登場したのだが、そのうちの一人Hey!Say!JUMP山田涼介を崇拝する山田ラーから「ジャニーズというよりは、大物司会者の……オジサンというか」と言われると、「俺の全盛期を知らないべ!」。一流ゲスト陣のアドバイスも響かず、彼らがそれくらい夢中であることが伝わってきた。

男性ファンは増えてきたものの、もっと増えてほしいと彼ら。「ジャニーズ側から見たら男性ファンが増えるのは嬉しい?」の質問に中居は「ジャニーズ側っていうか、俺から見ると気持ちが悪い」。
「俺はね! 山Pとか二宮くんは受け入れてくれる。俺は女の子が好きだもん」と持論を述べ、「それは貫いてほしいですよ」と添えた。中居の“〇〇ラー”に対する接し方は、迎合するでも、いじり倒すでもなく「貫け」とメッセージを伝えているようだった。

最終回はなんと新企画!

3月26日の最終回では、MCの中居と準レギュラーの明石ガクト氏、中居と共に番組の進行を担当してきた後呂有紗アナウンサーの3人のみ。人と壁を作りがちだという中居と後呂との絆を深めて少しでも知ってもらおうという「第1回後呂クイズ」が行われた。王道のクイズ番組の“超難問”よりもはるかに難しい問題が出題された。

明石氏との対決に負けた場合には、後呂アナからのお願いに応えなければならない。中居へのお願いは、「一曲歌ってほしい、本気ダンスがみたい、バク転をしてほしい」の3つ。後呂アナいいぞ! 

Twitterが荒れると恐れる明石氏。中居ファンの期待を背負ってクイズがスタートした。第1問目は後呂アナの名前あてクイズ。「下の名前は?」の問いに、中居は「有紗」、明石氏は「有沙」と回答。
正解は、糸へんの「有紗」で中居が1ポイントリード。その後も、家族構成から、出身大学名、お気に入り服とマニアックな問題が続いた。

最終問題は1億ポイントをかけた「血液型」について。見事に中居が正解したものの、本気ダンスはみられずじまい。それはとても残念ではあったが、これまでの総集編で番組を振り返るよりも、3人だけで落ち着いた雰囲気のなか、しかも新企画で進行したのが前向きでよかった。

「こんなイライラするクイズは初めて(笑)」とこぼした明石氏。続いて中居も「つぎ、第2回目はちょっとそういうとこも考えてもらいながら、ね、問題を考えていただきたいと思います。ということでございました、『新・日本男児』最終回でしたー。ありがとうございました!」。中居は右手を挙げ、てのひらをパッと開いて、笑顔で番組を締めくくった。

バラエティ番組の終わり――きっと中居のこだわりや経験、考えが詰まった締めくくりではないだろうか。

2018年1月『めちゃ×2イケてるッ!中居&ナイナイ日本一周FINAL』(フジテレビ系)では、「最終回が来ないように、最後がないように進んでいくのがバラエティじゃないかな」と言葉を寄せた。
2014年に32年の歴史に幕を下ろした『笑っていいとも!』から、先日、12年続いた『火曜サプライズ2時間スペシャル』(ともにフジテレビ系)の最終回に出演と、様々なバラエティ番組の最後に立ち会ってきた。

中居正広らしさ詰まった『新・日本男児と中居』最終回<柚月裕実のWeekly“J”>
2019年5月9日の初回放送から約2年。2021年3月26日の放送で最終回を迎えた『新・日本男児と中居』。画像は番組サイトより

今回も明るくカラッと、また会いましょう! のようなノリと雰囲気。ただでさえ寂しい番組の最終回。だからこそ、これ以上視聴者を悲しませないようにと元気な姿で締めくくる……きっと台本ではなく、中居の思いが詰まった結びだったのではないか。

どうしても自分好みのチャンネルしか観ない、アクセスしない、興味のあるハッシュタグからしか世界が広がっていかない傾向にあるなかで、この番組でなければ知ることがなかった人たちや偏愛を知れたことは、直接的ではないにせよどこかで知識の一つとなって役に立つと思う。特別番組でも動画配信でも、また様々な人を招いてトークを繰り広げてほしい。

さて、様々な番組の公式Twitterを見ていると、番組を観ながらTwitterでつぶやこうと盛り上げたり、ファンの間でも自主的に番組のネット配信を観て視聴率アップに協力しようと呼びかけたりしているのを目にする。テレビ視聴の分散化と共に、応援の仕方も変わりつつあるとも感じた。

▼『新・日本男児と中居』Huluで2020/4/4放送回〜最終回を配信中


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※次回「Weekly“J”」を更新しましたら、Twitterでお知らせします

Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013

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