亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>
イラスト/おうか

柚月裕実の「Weekly“J”」#25<4月18日〜4月25日>

HiHi Jets

アイドルファン歴25年超の筆者が一週間の出来事からトピックを紹介するこのコーナー。4月18日からの一週間より、印象的なトピックスをご紹介します。

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今週ピックアップするのは、4月22日にスタートしたKAT-TUNの新番組『KAT-TUNの食宝ゲッットゥーン』(TBS系)について。


人生で一度は食べてみたいお宝食材、“食宝”を求めてKAT-TUNが全国各地を訪れて食す、グルメドキュメントバラエティ。と、それだけではないのが番組の面白いところ。

KAT-TUNとしてデビュー15周年を迎えたベテランアイドルとチームを組むのは新人ディレクター。3月末に惜しまれながら終了した『KAT-TUNの世界一タメになる旅!+』では、バラエティ演出の“鬼才”マッコイ斎藤氏と、エッヂの効いた番組を作ってきただけに、タメ旅シリーズとは対照的な座組だ。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

初回放送では、メンバー3人とそれぞれチームを組む若手ディレクターとの対面からスタート。赤いスタッフジャンパーをシャカシャカ言わせて走ってきたのは中丸雄一、37歳。朝6時に26歳のむぎDと待ち合わせ。この日がディレクターデビュー戦だという。

グルメ界最高の一冊と称される『死ぬ前に味わいたい1001食品』(GAIA BOOKS)に掲載の伝説の魚「センネンダイ」を求めて、奄美大島を目指す。早朝とはいえ釣りをする時間がないと懸念した中丸。その不安は的中し、「漁師さんに聞いてみないとわからない」とむぎD。「マジで……調べてないですね」と事前のリサーチ不足が明らかになった。


亀梨和也はD歴2年、元野球部の原口Dと元ソフトボール部のぶんちゃんの男女ディレクターとチームを組み、宮中料理にも登場するニホンキジを求めて鹿児島へ。空港を降りたものの、車の手配をしていなかった。亀梨が地元の「おいどんレンタカー」をチョイスして交渉。車種を聞かれ、「オープンカーとかあったりします?」キラキラアイドルが隠しきれない亀梨だった。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

奄美大島に降り立った中丸。ふとメンバー二人のことが心配に……。「僕はまだいいけど上田くんとか大丈夫かな。けっこう短気だから。武力を行使するっていうケースもありますから」。

そんな中丸の心配も杞憂に終わった。早朝の集合に少々機嫌が悪そうな上田竜也だったが、担当するディレクターが、加藤D&波立Dと二人の女性だとわかると、「女の子なのね、二人ともね」「……そういうことだよね」と少々困惑した様子。「朝早かったからこのストレスをどうしようかと思ってたんだけど……」と言いつつも表情を和らげ、優しい上田が顔を出した。
上田チームが目指すのはニホンジカ。三重県津市を目指した。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

上田は「いつものロケとなんか感じが違う」とぽつり。“いつもの”とは、タメ旅を指しているのだろうか。新しい番組が始まったと再認識させられる一幕だった。

亀梨の取材力が光った初回

今回は亀梨の食宝探しが放送された。空港からニホンキジの養殖センターまで2時間半の距離を亀梨が運転。車中でのやりとりからわずか数秒で、養殖センターがお目見え。あまりにも端折った編集にスタジオの亀梨が「はえぇ!」とツッコミ。「この調子でいくの?」と聞くと、「道中、ずっと真面目な話ばかりだったんで」とグッチD。「おいこら!(笑)」と亀梨。続けて「使いどころじゃなかったと……」と笑ってみせた。


VTRでは養殖センターの小倉直樹さんに深々と頭を下げた亀梨。『Going! Sports&News』(日本テレビ系)でもそうだが、取材相手に対していつも丁寧に敬意を持って接する亀梨。ここからは亀梨の取材力が発揮されていくのだった。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

ニホンキジは選挙カーの音でも繁殖ができなくなってしまう繊細な動物。餌やりも刺激しないように、黒い服に着替え、自然を装わなくてはならない。これらに黙々と、スマートに対応する亀梨。スタジオでは小倉さんから聞いたニホンキジにまつわるエピソードや小倉さんの取り組みを補足し、ただの作業映像で終わらない工夫をしていた。テロップで亀梨に「もはやキジ博士」と入ったが、取材を通して学んだり感銘を受けたりしたことを、伝えなければ!という亀梨の使命感のようなものが伝わってきた。

そして、いよいよ食宝をいただくシーンへ。インサートカットにこだわる亀梨。職人がさばいたニホンキジの刺身を、より美しく撮るためにアドバイスを送った。

正座をしていざ実食!となると思いきや、「初回だからあれだけど、こうなったときにちゃんと正装したいよね、食宝だから」やさしく、少しボリュームを抑えめにスタッフに語りかけた。
「次回、正装持ってこよ。ちゃんとしたいじゃん、こっちも、ね!」と伝え、小倉さんに向けて「今日はすみません、作業着のままで申し訳ない……」と。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

両手をあわせて「いただきます」の所作がなんとも美しい。箸をつけたが、「お箸とかもちゃんとしないとね、食宝をいただくんだから」「我々の心が構えが足りてないね」と亀梨。ここでも「食べる箸にもこだわる男」と矢印が入っていたけれど、生産者から飼育の話を聞いて餌やりをして、わずかな時間かもしれないが、取材した者として敬意を忘れない。味わって「美味しい」と感動した様子の表情と共に伝えていたところも亀梨らしい。

初回放送では、これまでの番組とは違って少々荒削りな部分があった。ただ、台本に沿って進行するのではなく、一緒に走りながら、アドバイスしたり、演出を考えたりするメンバーの伴走者的なポジションがみえてきた。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

KAT-TUNとしても、これまでたくさんのステージを作ってきた、いわばプロデュースのベテランでもある。アイドルがディレクターを育成する、逆転現象のような雰囲気もあり、荒削りで未完成だからこそ、この先が楽しみだ。10、20回と回数を重ねると共に、進行や映像の見せ方、衣装やカトラリーなどのアイテムもかなり変化しそう。

番組の公式Twitterは、4月23日に「あっという間に着いてしまっていますが実は道中、道の駅にて亀梨さんにカップラーメンを作ってもらいました」と投稿。
番組で亀梨からツッコまれたシーンをSNSで補足するような、ごく自然な流れでクロスメディアを活用しているところも若手らしい。

亀梨和也の取材力と紳士ぶりが発揮されたKAT-TUN新ロケ番組<柚月裕実のWeekly“J”>

亀梨が映像編集にツッコミを入れていたが、ということは未公開映像がまだまだありそう。この先、過去の放送をまとめた総集編もかなり充実するのではないか。食宝もさることながら、KAT-TUNのお宝映像もたくさん眠っていそうだ。

さて、次回予告では、中丸とディレクターの間で何かがあった様子。「よく黙ってましたね今まで」「ディレクター人生こういうのばっかりですよ、たぶん」「決めてください」少々語気を強めた中丸の声が……。一体何があったのか。

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※次回「Weekly“J”」を更新しましたら、Twitterでお知らせします

Writer

柚月裕実


Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。

関連サイト
@hiromin2013

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