※本稿は、小林弘幸『科学的に証明された 自律神経を整える習慣』(アスコム)の一部を抜粋・再編集したものです。
■「量」と「時間」で薬にも毒にもなる
ほっと一息つきたいときに、コーヒーや紅茶、緑茶などを飲むことを習慣としている方も多いことでしょう。カフェインはコーヒーやお茶などに含まれている成分で、一般的に「気分転換に役立つ」などの特徴が知られています。そのため、摂取することで目が覚めたように感じるなど、生活リズムに影響する場合があります。
ここで注意したいのが、カフェインの摂取量と時間です。なぜなら、カフェインには交感神経の活動を優位にする作用があるため、過度に摂取すると、落ち着きたいはずが逆に脳が興奮状態に陥ってしまったり、夜間に摂取すると、睡眠の質に影響を与えてしまうことがあるからです。
カフェインは中枢神経に作用し、覚醒する効果が知られていますが、自律神経にも影響を与えることがわかっています。
カフェインにはおもに交感神経を刺激する作用があり、摂取すると一時的に心拍数や血圧が上がるなどの反応が起こります。このため、適度なカフェインの摂取は活動的な状態をサポートしてくれます。
ただし、過剰なカフェイン摂取は不眠や動悸、不安感などの症状を引き起こすこともあります。
■目安は夕方までに1日2~3杯
「若いころは何時にどれだけ飲んでも大丈夫だったけれど、年を重ねてからは、夜にコーヒーを飲むと眠りにつきづらくなった」という声もよく聞きます。
継続的なカフェイン摂取と自律神経機能の関連性を分析した研究には、「一定の傾向として気持ちが落ち着く」という報告もある一方、「過剰な摂取では逆の変化が見られる場合があり、適量を意識する必要がある」という結果もあり、適量を意識することがとても大切です。
夕方以降の摂取を控えることで、快適に過ごせる場合があるという研究結果もあります。また、ある研究によると、カフェインを定期的に摂取する高齢者は、認知機能が良好に保たれる傾向があり、アルツハイマー病のリスクが低下することが示されています。あくまで適度な摂取であれば、効果的であるということです。
したがって、とくに高齢者は、カフェインを含む飲料を摂取する場合は、量と時間を意識することが重要です。一般的には、1日2~3杯までとされていますが、個々の健康状態や薬の服用状況に応じて調整をするようにしましょう。
■テンポやビートが一定の音楽も効果的
自律神経を整えるには、継続して取り組むことが大切です。続けやすく、楽しく、効果の期待できる方法をいくつかご紹介しますので、自分に合っていそうなものから習慣化してみてください。
ここでご紹介するのは、「音楽を聴く習慣」です。
音楽を聴くだけで自律神経が整うの? と疑う人もいるかもしれません。
リラックスできるのは、副交感神経が活性化している証拠。音楽を聴くという行動には、時として自律神経を整える効果があるわけです。基本的に、音楽を聴くと人間は楽しい、気持ちいいと感じることができます。
しかし、どんな音楽でも副交感神経が上がるわけではありません。副交感神経が活性化してリラックスできる音楽には、いくつか条件というか、共通点があります。
「テンポやビートが一定であること」と、「音域(構成している音の高低の幅)が狭いこと」です。
■モーツァルトよりもレッド・ツェッペリン
リラックスできる音楽というと、落ち着いたトーンのクラシックやイージーリスニングなどを想像する方が多いと思います。決して間違っているわけではありませんが、「テンポやビートが一定であること」を考えれば、むしろハードロックなどのほうが規則的で、より自律神経を整えますからおすすめできます。
反対に、ジャズやクラシックなどには、テンポをわざとずらしたり、音域が意外な方向に展開したり、不協和音が入ったりすることもあります。ですから個人的には、モーツァルトよりもレッド・ツェッペリンをおすすめします。
また、誰にでも、昔聴いていた懐かしい歌や好きな曲があるはずです。楽しかった記憶を思い起こせるのであれば、そうした音楽を聴いてみることも心が穏やかになっていいでしょう。
注意点として、音楽を聴く際にはなるべくイヤホンは使わないでください。イヤホンで大きな音を聴き続けると、内耳の蝸牛(かぎゅう)という器官にある有毛細胞が傷つき、「イヤホン難聴」の原因になります。周囲に音漏れするほどの音量で聴いたり、長時間使用したりすることのないよう気をつけましょう。
■動物との触れ合いも自律神経を整える
最近、自律神経を整える方法として、注目を集めているセラピーがあります。「ホースセラピー」です。
ホースセラピーとは、乗馬や馬の手入れ、観察などを通じて、とくに脳に障害のある方の社会復帰を早めるリハビリテーションのひとつです。通常のアニマルセラピーと異なる点として、精神的な面だけでなく、馬に乗ったりすることで得られる、筋力や平衡感覚の向上などにもつながる可能性があることが挙げられます。
普段、馬と触れ合う機会などはなかなかないと思いますが、アニマルセラピーのなかではいまもっとも注目され、また期待されているセラピーといえるのではないでしょうか。
このホースセラピーを含めたアニマルセラピーは、自律神経を整える方法のひとつとして、科学的な証明がされ始めている分野でもあります。
猫カフェが全国に爆発的に広がったのも、自律神経が乱れ、癒やしを求めた現代人が、本能的に自律神経を整えるために、身近なペットとして愛され続けてきた猫を選んだのではないかと私は思うのです。
■「ホワイトの刺激」でリラックス
ペットセラピーでは、ペットと触れ合うことで脳内からセロトニンなどの「幸せホルモン」が出ることがわかっていますが、自律神経の観点からいうと、ペットの愛くるしさは副交感神経をアップさせる「ホワイトの刺激」にあたります。
ホワイトの刺激とは、言い換えると快い刺激。動物たちがじゃれ合ったり、予想もつかない動きを見せてくれると、私たちはホワイトの刺激を受けて、リラックスした気持ちになれます。
そのときの呼吸は、みなさんが意識していないだけで、深く穏やかな呼吸になっているはずです。ゆっくりとした深い呼吸は副交感神経を刺激し、全身に血液が行きわたり、末梢の血液量が増加します。
反対に動物がいじめられたり、痛そうにしたりしている場合は見ていてつらいでしょう。そうした不快な刺激は「ブラックの刺激」といい、心身を緊張状態に持っていきます。無意識に呼吸が止まり、血流も悪くなってしまうのです。
私がおすすめしたい方法は、動物を撫でたり抱いたりしながら、意識してゆっくりと深い呼吸をすることです。そうすることでリラックス効果を得て、副交感神経が飛躍的に高まります。ぜひ試してみてください。
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小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部特任教授
1960年、埼玉県生まれ。
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(順天堂大学医学部特任教授 小林 弘幸)

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