香港誌の亜州週刊はこのほど、香港では普通話(プートンホア、標準中国語)のレベルが低いとして、中国大陸部と融合して国際競争力を維持するためにも、レベルを高める必要があると主張する論説記事を発表した。記事は香港での普通話のレベルを向上させる「六つの提言」も示した。

以下は同記事の主要な内容だ。

香港は中国への返還から30年を迎えようとする現在も、依然として広東語主体の「方言の孤島」にとどまっている。これは普通話教育の失敗であり、深刻な国家安全の危機と競争力の伸び悩みを招いている。エリートを含む多くの香港人は普通話を用いての深い思惟や議論ができず、中国本土や世界の華人とのコミュニケーションに障壁が生じている。その背後にあるのは、教育関連の既得権益集団に触れることを恐れる官僚の怠慢と惰性であり、国家の利益よりも地方主義を台頭させている。

香港人の普通話能力の低さは、国際ビジネス界からの反発を招いている。シャングリラ・グループや恒隆グループのトップも、普通話能力に劣っていることは香港の都市競争力の弱点だと批判した。一方で、学費が高額なインターナショナルスクールでは普通話が「権力と経済の言語」と認識されており、中国語の授業は普通話で行われている。普通話を習得することは、多国籍企業での活躍や広東・香港・マカオ大湾区市場との融合、ひいては国際金融センターとしての香港の優位性を長期にわたって保つために不可欠だ。これまで香港の法定言語である「中国語」の定義は曖昧だったが、現在では高級公務員を中心に、普通話の流暢に操れることが、昇進のために事実上必須条件へと変化しつつある。

2019年の反政府暴動では、香港独立派が広東語を、アイデンティティーを構築し、国家への帰属意識に対抗する道具として利用し、普通話を意図的におとしめた。しかし、普通話の推進は広東語を消滅させるものでは決してない。

中国大陸部の上海や広東省でも方言が日常生活で生きているように、香港でも学校、議会、政府機関といった「公的領域」では普通話を用い、家庭などの「私的領域」では広東語等の方言を使い分ける「バイリンガル並行構造」を構築すべきだ。普通話を公的領域で普及させることで、本土との民心の距離を克服し、真の融合を図ることが可能になる。香港での普通話の通用度は、シンガポールやマレーシアの華人にすら及んでいないのが実態だ。

香港は可及的速やかに、以下の「普通話の6大提言」を実行せねばならない。(1)公務員の評価や昇進では、英語や広東語だけでなく、普通話の能力テストも行う(2)小中学校の授業では、外国語を除き全科目で普通話を用いる(3)議会などの公的会議での発言には普通話を用いると定める(4)卒業試験や大学入学試験に普通話の科目を設け、普通話試験での合格を必須とする(5)公式メディアは普通話による情報発信を中心に据えて強化する(6)これらの施策の実行の日程表と実績の評価指標を制定し、遅滞を防止する―。

「二文三語(中国語と英語による読み書きと広東語・普通話・英語による会話)」の環境は香港の独特な強みだ。また、普通話の口語表現と現代中国語の書面語は極めて合致しているため、普通話での教育ならば生徒や学生は「思ったように書く」ことができ、負担が大幅に減少する。香港返還時の「50年間は不変」の約束は、氷漬けのような「何も変わらず」を意味するものではない。香港は、自由で開放的、国際競争力に満ちた環境という重要な価値を維持しつつ、世界の変化に適応していく必要がある。普通話を母語の一つとして定着させ、生活の中で自然に使える環境を整備することは、香港独立派の悪意ある中傷に別れを告げ、真にグローバルな競争力を高めるための必須課題だ。(翻訳・編集/如月隼人)

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