陸上自衛隊の第1師団第1普通科連隊が、生成AI(人工知能)を用いて作成した新たな部隊ロゴを巡り論争を招き、公開からわずか数日で使用を中止した。

同連隊は4月29日、SNS上で新ロゴを公表した。

デザインは、軍服を着た「擬人化」されたゾウをモチーフとし、手に小銃を持ち、胸部には頭蓋骨のような意匠が施されている。部隊側は視覚的なシンボルの刷新により隊員の結束力向上を図る目的だったと説明した。

しかし、このロゴは公開直後から波紋を広げた。日本国内でデザインの適切性を疑問視する声が上がったほか、中国のSNS上でも議論が拡大し、批判や「やゆ」を含むさまざまな意見が投稿された。

一部のネットユーザーからは、「頭蓋骨の要素は攻撃的で好戦的な印象を与え、現代の軍隊イメージにそぐわない」との指摘や、「過激な組織のシンボルのようだ」といった批判が見られた。また、「日本にゾウは生息していない」としてモチーフの妥当性を疑問視し、「奈良のシカ」や「ニホンツキノワグマ」など、より地域性のある動物を採用すべきだとの意見もあった。

さらに、風刺的なコメントも相次いだ。「日本の“小さな戦象”」と表現したり、「見た目はイノシシに近い」といった声のほか、「インド文化との関連」を指摘する投稿も見受けられた。

議論は生成AIの活用そのものにも及んだ。首都防衛を担う部隊がAI生成のデザインをそのまま採用した点について、「人による十分なチェックを欠き、厳格さに欠ける」との見方や、「水準に見合わない」とする意見が出ている。一方で、日本は多くの漫画家やデザイナーを擁する「創作大国」であるとして、「専門人材とAI技術を組み合わせるべきだ」との提言もあった。(記事/RR)

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