2026年5月12日、中国メディアの観察者網は電気自動車(EV)用の動力電池産業内の競争原理が「生産能力と価格競争」から「技術力、コスト、グローバル化能力」へと徐々に変化していると指摘した。

中国の「新エネルギー自動車産業発展計画(2021~2035年)」に基づいて政府主導で設立された産学官連携組織「電動汽車産業技術創新戦略聯盟(China EV Industry Technology Innovation Strategic Alliance)」が11日に発表したデータによると、4月時点の中国国内のEV用電池搭載容量は前月比10.4%増、前年同月比15.2%増の62.4GWhに達し、うち81.5%に当たる50.8GWhをリン酸鉄リチウムイオン電池(LFP電池)が占めており、市場シェアの新記録を樹立した。

また、三元系リチウムイオン電池の搭載容量は11.5GWhだったものの、成長率では前年比24.2%増を記録した。1~4月の累計データでは、総設置容量は前年比1.6%増の187.2GWhに達し、LFP電池が149.8GWh(80%)、三元系リチウムイオン電池が37.4GWh(20%)を占めた。

記事は、「LFP電池が新エネルギー車市場における絶対的な主流へと進化を遂げた原動力は、新エネルギー車の消費構造の変化だ。消費者は従来の性能重視の姿勢から、購入価格や安全性、寿命、メンテナンスコストなどを重視するようになっている。各メーカーによる次世代技術の開発や、特に電気トラック、特殊車両、PHEVモデル分野でのコスト意識の高さなどの要因もあり、LFP電池搭載車の普及を加速させている」と述べた。

次に記事は、4月の動力電池および蓄電池の総生産量が前年同月比55.6%増の183.9GWhに達したなどのデータや、寧徳時代新能源科技(CATL)や国軒高科などの大手メーカーによる欧州や中東、東南アジアなどへの海外展開の加速、吉利汽車傘下の吉耀同興や広州汽車傘下の仁培電池など新規参入企業の増加事例などから、産業規模の面でも中国の電池産業が拡大していることを紹介した。

最後に記事は、「過去数年間、業界競争の中心は生産能力拡大のスピードにあり、価格競争が市場シェア獲得の重要な手段となっていた。しかし、現在は技術革新能力、グローバルサプライチェーン、現地生産能力、コスト管理システムが企業の将来を決定する。特に新エネルギー車産業チェーンのグローバルな再編を背景に、中国の電池産業は国内市場だけでなく、海外市場でのローカライズ、サプライチェーンの安全性、貿易上の障壁など複数の課題にも直面している。これは市場の次の段階において、企業間競争の焦点が『規模拡大と低価格化』から、技術、製造、サプライチェーン、グローバルな事業展開能力を網羅する『包括的なシステム構築』へと移行することを意味する」と指摘した。(翻訳・編集/原邦之)

編集部おすすめ