思考も作業もこなすAIエージェントが、従来の科学研究における効率のボトルネックを打破し、「AIが実験を支援する」時代を現実のものとしつつある。武漢人工知能研究院が開発した中国初の科学研究全工程対応AIエージェント「Science Claw」は4月29日の発表以来、武漢から全国へと利用が広がり、すでに1000以上の機関で導入され、1万人以上の研究者に利用されている。
これまで研究者の多くの時間は反復作業に費やされてきた。資料探しでは膨大な論文の中から有用なものを探し出さなければならず、モデル開発ではパラメータ調整を繰り返し、コードを書けばバグ修正に追われ、研究計画を立てた後も研究室に戻って検証を行わなければならない。
そして、従来のAIは資料検索や文章作成の支援しかできず、専門ツールの操作やプログラム実行、機器の制御といった実務段階になると明らかに力不足だった。
同研究院の王金橋(ワン・ジンチアオ)院長は「Science Clawはまさにこうした課題を解決するためのものだ。『考える』だけでなく、それ以上に『手も動かせる』ことが最大の強みだ」と指摘する。研究者が自然言語で研究のアイデアを入力すると、Science Clawが総司令塔となり、要求を自動的に理解してタスクを細分化。文献検索、コード作成、データ分析、ツールの利用といった作業を複数のAIエージェントに割り当て、並列的に処理させる。さらに、条件を満たす研究室であれば、自動化実験装置と直接連携して、実験の実行や結果のフィードバックに参加し、最終的には、追跡・検証可能な完全な研究報告書を作成する。
実際の検証では、従来なら数時間を要していた文献レビューやデータ処理、化合物シミュレーションなどの作業が、Science Clawを使用することで数分で完了した。新薬開発分野では従来約10年かかっていた研究開発期間を約3年まで短縮できる可能性がある。これまで30分かかっていた多角的な医薬品特性予測も、Science Clawを使用すればわずか10分で完了した。(提供/人民網日本語版・編集/NA)











